白馬の馬車の王子様
「白馬の王子様ってさ」
「ああ、女の子の永遠の憧れってやつね」
またさつきの、いつもの突拍子もない話題振りに付き合う健一。
健一も突拍子もない話題振りをするので、お互いさまと言えばお互いさまだ。
「馬車じゃないの?」
「何がどういうことだ? カボチャの馬車か?」
「違くて。王子様って、馬じゃなくて馬車で移動するものなんじゃないの?」
さつき曰く、王子様と言う存在は、移動する時に自分で何かせずに、周りに護衛と送迎がいるのでは?
と、言いたいようだ。
「憧れが崩れ落ちそうな意見だな。別に馬にだって乗るだろ」
「そもそも王子様って森の中とか一人で出歩かないと思うんだけどなー」
例えば、王子様が白雪姫を助けた時に従者が大勢付いて来ていたら、それはそれで嫌だなと健一は思う。
「それはー……。ほら、第3王子とかそこまで位の高くない王子なんだよ」
「えー、なんかそれってすごいユメ壊れるなー。第3王子って……。……いや、いいかも」
「いいのかよ」
「第1王子とか第2王子様って公務が大変そうでしょ? お嫁に貰われたとして、お姫様になったら私も大変になりそう、色々。困っちゃうな」
「既にお前が貰われる話になってるし」
自分が姫になる前提で話を進めてるさつきに健一は苦笑した。
「でも、第3王子だったらあんまり大変じゃないでしょ?」
「さっきさ」
「うん?」
話を切るように健一が口を挟む。
「第3王子の位が高くないみたいなこと言ったけど、まるでそんな事ないよな」
「王子って時点で雲の上ですよね」
市民である二人からしたら王子との身分の差はどれくらいなのだろう。
と、二人は思う。
「だよな」
「でも、第1王子と第2王子に比べたら役割が少ないのは間違ってるけど間違ってないんだよ」
「じゃあ、やっぱり第3王子夫人を目指すのが一番か」
「そうだね。あ、でも……日本に王子様いないけど、どうしよう」
さも今気づいたかのように言うさつきに、健一は呆れた。
もしかして万が一があるとでも思ったのか? と。
「少なくとも俺の部屋にいても王子様は出てこないぞ」
「もしかしたらもしかするかも知れないよ?」
「もしかしねーよ」
とりあえず、さつきは健一の部屋から出ていくつもりはないようであった。
馬で車・・・現代ならポルシェ、フェラーリ辺りになるんでしょうかね




