第1章:「世界大戦」
龍暦紀元前215年:
-深紅の空を背景に、強力な闇のエネルギーを纏った2つの人影が、奇妙な言語で呪文を唱えている。
-プロミウズ:「アスケルヴァーク・メルズム・フォン・フィルス……ヴァルダーバート(大いなる火の災厄……昇れ)」――青白い肌、紫色の角、白い髪を持つ悪魔が、漆黒の翼を広げて立ち上がり、マスター級の呪文を唱えると、三つの頭を持つ蛇の形をした火の奔流が、もう一人の人影へと降り注いだ。
-ズミレク:アスケルヴァーク・メルズム・フォン・ワリウス……アテック(水の偉大なる災厄……攻撃せよ)――この人物は、翼が折れ、後光も失われた天使のようだったが、青い瞳と肩まで届く長い金髪を持っていた。その呪文は嵐へと変わり、そこから三頭の獅子が現れた。
-2つの呪文が激突し、その対決の結果が人類と惑星ゲオダエの運命を決定づけることになる。別の大陸からも見えるほどの巨大な爆発が起こり、巨大な砂塵が舞い上がり、そこには人間、エルフ、ドワーフ、オーク、天使、悪魔の何千もの死体が転がっている中、ただ2つの姿だけが立ち尽くしていた……
-プロミウズ:「ヴァルスケヴァン……メレツェルト……モエダエ(君は……立派な……戦いを見せてくれた)」。――悪魔は誇らしげな笑みを浮かべてそう言うと、床に崩れ落ちた。
-ズミレク:「ヴァルスケヴァン・メレツェルト・モエダエ・タンバック、ノク・テフ・ヘガルフ・フェラジルク、デスチェンコ・ゲルク」(お前も立派に戦った。永遠に祓うことはしない。安らかに眠れ、戦士よ)。そう言うと、天使は祈りのように一節を唱え、数十万の死体をその「ジュエク・ファタール(最後の審判)」へと昇華させた。
-「普遍戦争」として知られるこの歴史的出来事の後、堕ちた人間の子孫の中からフィリウム王家が誕生し、その初代王はフィリエット・フォン・モルス卿となった。
龍暦紀元前15年
-ヒナギクやオークの木、フィルムオフの実が生い茂る静かな村に、村長ギルバート・ファイアホールがいた。彼は65歳のカリスマ的な老人で、村の暖かい日差しを反射する禿頭を持ち、老齢にもかかわらず依然として力強く輝くエメラルド色の瞳をしており、 その腕の中には、孫であり、この物語の主人公であるミカエル・ファイアホールが抱かれていた。彼は色白の肌で、空のような明るい青色の髪と、灰色がかった瞳をした赤ん坊だった。
-ギルベルト:「ジョジョジョ、この町は相変わらず静かだね、ミクン?」――ギルベルトは孫に微笑みかけながらそう言った。
-ミクン:「…ブ、ブ……」その瞬間……ギルベルトは、これから何が起こるか悟った。
-ギルベルト:「いや……またか……」ギルベルトは呪文を唱えながらため息をついた。「我が足を風に包まれ、風を我が味方へと導け…… 加速だ!」――彼の老いた関節は風のマナで満たされ、冒険者だった頃のように村の外へと猛スピードで駆け出した。その間、小さなミクンの目からは小さな涙がこぼれ落ちていた。
-ミクン/ギルベルト:「ブゥー、ブゥー」――「ちびっ子、ちょっと待ってくれ!(もしそれが発動したら、上級ランクの呪文並みの威力になるぞ!)」
-ギルベルトはニヴェアの郊外に到着し、ミクンを毛布を敷いた小さな森の地面に残して去っていった。ミクンは耳を塞いでいた……とはいえ……年を取ったせいか、あまりよく聞こえていなかったのだが。
-ミクン:ブアアアッ!!!!――その小さな泣き声は、マナの怪物や森の獣たちを怯えさせるほど大きかった。しばらくすると、ミクンは落ち着き、祖父は彼を抱き上げ、胸に抱きしめた。
-ギルベルト:「ジョジョジョ……君は私のミクンをとても思い出させるな。将来、頼りになる人物になるだろう。たとえこの言葉を覚えていなくても、君には……」ギルベルトは咳き込み始め、肌の色が少し青ざめた。ミクンは心配そうに彼を見つめ、また別の……「高レベルの呪文」を唱えようとした。「心配するな、我が子よ。この年になれば普通のことだ…… 「何の話だったっけ? ああ、そうだ……」――彼は、水滴の形をしたサファイアが嵌め込まれ、内側に「Z」の文字が刻まれた銀のネックレスを取り出した。「これは君のものだ……おそらく、もうすぐのことになるだろう……だが、これだけは知っておいてほしい。私はいつまでも君を愛している。たとえ君が成長する姿を見られなくても、たとえ君の子供たちに会うことができなくても……私はいつも君のそばにいる。そして、もう一つ…… 心から愛しなさい、魂を込めて愛しなさい、友を愛しなさい、敵を許しなさい、この世のすべての生き物を愛しなさい。愛はどんな戦争にも打ち勝つことができる。愛は国境のない普遍的な言語だ……愛……それは美しいものだ。
――その会話の後、彼らは村へと戻っていった。ミカエルはそれを覚えているだろうか? おそらく覚えていないだろうが……もしかすると、あの短い言葉が王国の運命を変えるかもしれない。




