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プロローグ

月一更新できたらいいかなくらいでゆっくり書いていきます。更新は、月末予定です。

「ガッ!」


「痛ってぇ…」


歩道を歩いていたら、思いっきり肩にぶつかってくる誰かがいた。


目線を上げると、黒いスーツにサングラスの「いかにも」な男が、オールバックの髪を誇らしげに見せつけるように凄んできた。


「てめぇ…」


「あ、すいません…」


「チッ! 気を付けろよ!」


男は、俺を見ると興味を失ったように去っていった。


しかし、その五分後。


「ドン!」


「痛ったい! 何すんのよ!」


次は、気の強そうな女子高生だ。着崩した制服から、「真面目」な生徒ではないことが窺える。化粧も濃いめだ。


「す、すいません…」


その時に、俺は、眼鏡がズレてることに気づいた。これは不味い。


その時、気の強そうな女子高生の隣の女の子が言った。


「ねぇ、今のって…モデルのレイジじゃ…」


俺がぶつかったのは、とあるモデルの特大パネルだった。


レイジ。今人気急上昇のモデル。歳は若くないが、彗星の如く現れ、今ブレイク中である。


レイジは、黒いロリータ服に身を包んだ、長い白髮の赤眼の男。こんな男が、身近にいたら目立ってしょうがない。


「えー! 美穂の推しのレイジがこんなとこにいるわけないじゃん!」


「よく見なよ、この男ダサい眼鏡掛けて、黒髪じゃん!」


女子高生達は、俺を見つつ訝しそうに去っていった。


「…本人なんだよ…」


俺は、剣麗二。三十五歳。ロリータ服で、公開辱めを受けているのは、理由がある。…金の為だ。普段は、認識阻害の魔法をかけた眼鏡を掛けている。俺の目は、常時魅了の魔法がだだ漏れという、迷惑な目なのである…。


「仕方ない飛ぼう…」


俺は、広場に移動すると、羽を出して空を飛んだ。


「こんな時にも、認識阻害は役立つ」


★★


「おはようございます」


「おはよう、麗二。今日もよろしくな」


笑顔から今日も、良い人オーラが出まくっている。人好好夫。ネットスーパー「人好マート」の店長である。


俺は、ここで在庫管理や受発注のチェックをしている。


いつも、パソコンに向かって、


「スキャン」


チェック機能の魔法で、問題のある箇所だけが、画面に浮かび上がる。俺は、この箇所を詳しく調べるだけ。魔法便利。


★★

「あ〜、やっぱり仕事は楽しい♫」


定時後、俺は、上機嫌で家に帰った。


「ガチャ」


「あ、麗二帰って来た」


「にゃ(え? マジで)」


金髪青目の美女と、白いペルシャ猫がいる。


美女は、俺の彼女。リリィ。


ペルシャ猫は、俺のペットペルちゃん。


「リリィ、オートロックをピッキングしないで…」


「えー、麗二の家のオートロック旧式だよ? こんなのピッキングしないほうが難しいよ?」


ペルちゃんは、慌ててゲーム機を片付けている。


「ペルちゃん、俺がいない間、ずっとゲームしてたの?」


「…」


いつもは饒舌なペルちゃんが俯く。


「ペルちゃん、先月の電気代五万だったよ! 俺が、泣く泣くモデルをやって稼いできたから良いものの、ペルちゃんも、配信とかして稼いでくんない?」


「ペルちゃんチャンネル登録者人数三人!」


リリィが、笑顔で言った。


俺は、悲しみに泣き崩れた…。


しかし、ペルちゃんチャンネルは、あっという間にブレイクし、俺は、ペルちゃんの稼ぎで、タワーマンションの最上階に住むことになる…。



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