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第8話

「実感湧きませんか?」


「うん…お金持ちな気はしてたけど、そうか、社長だったのか。俺に仕事なんてできるのかな」


仕事ができる。

なんてレベルじゃない。


「それなら問題ないと思います。普通の人なら一日かかる仕事でも湊さんなら一時間で終わらせられましたから。湊さんはほんとにすごい人なんです」


「それはすごいね。でも、その分俺が眠ってる間、他の人達にすごく迷惑かけちゃったのか」


こんな状態でも会社の心配を、、

湊さんにとって会社は、きっと…。


「仕事は秘書の方が何とかすると仰ってました」

「秘書か、」


湊さんは命に別状はないけど、私のせいで倒れて、目が覚めない状態だって伝えておいた。


だけど、まさか記憶喪失だとは思っていないだろう。


あ、そうだ。

秘書の方に湊さんが目を覚ましたって連絡しておかないと。


「あ、秘書の方からちょうど電話が…もしもし。すみません連絡が遅くなってしまって。昨日の夜、湊さんが目を覚ましたんですけど、その…記憶喪失になってしまって…はい。そうですね、では明日の2時に。はい。分かりました。失礼します」


「秘書はなんて?」

「仕事に行く前に、一度会って話しておいた方がいいとのことで、明日の二時にうちにいらっしゃるそうです」


「俺が社長だなんて想像つかないなぁ…」


湊さんなら大丈夫だって言いたいけど、これも全部私のせいなのにそんなこと言うのは何か違う気がする。


「詳しい話は明日、秘書の方が説明してくれるそうです」


「そうだね、兎に角、今日はデパートに行って彩花ちゃんのためにお洋服いっぱい買ってあげる!よし!今日は俺が彩花ちゃんのために一肌脱ぐよ!」


一肌脱ぐってそんなに大袈裟な。


「でも…」


盛り上がってるところ申し訳ないのですが、私はあまり乗り気じゃないんです。


「大丈夫!デパートまではタクシーで行けばいいよ!」

「まぁ、そうなんですけど…」


デパートまでに辿り着けるのか、心配してるわけではないんですが。


「あ、もしかして、俺と一緒に出かけるの嫌だった…?」


「いや、そうじゃなくて、、湊さんは、昨日目を覚ましたばかりだし、今日は無理しない方が…」


「それなら大丈夫!もう元気だから!」


はぁ、私がこれ以上何か言ったところで無意味なんだろうな。


「分かりました」


「よし!じゃあ俺は早速出かける準備をしてくるよ!彩花ちゃんとのデート楽しみだなぁ」


「デート…」


まぁそうか。夫婦で出かけるんだからデートになるのか。


デートか…


夫婦になってから今年で2年目だけど、湊さんとは一度もデートなんてしたことなかったな。


「彩花ちゃん、どうかした?」

「い、いえ、私もすぐに準備してきます」


「じゃあまた後で!あ、それから、ずっと敬語になってたよ」


「あ…」


そうだタメ口…忘れてた。


「1日経ったらリセットされちゃうの?可愛いね」


湊さんのかわいいはよく分からない。


可愛いなんて言われ慣れてないから恥ずかしい。

出来ればあまり言わないで欲しい。


だけど罵倒されるより100万倍良い。



あぁ、怖いなぁ…

湊さんの前で自分の好きな服を着るのが怖い…

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