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傷あとも『穴』に
「 ―― おれは、この手で、 」
あの、ミノワのかたきを、おれは、・・・。
袖をまくりみた腕に、あのときケイテキの中身に《つかわれた》ミノワの血がつき、肉が腐ってはげおちた傷あとがいまものこる。
「この 傷が、 ―― っなんだ!? 」
コウドがみている間に、その、《傷あと》の赤黒い肉がもりあがると、墨でもこぼしたように、腕先が真っ黒になってゆく。
とっさにそばにいたタクアンをつきとばしたが、コウドの腕の『黒』から、なにかがとびだし、タクアンの肩に突き刺さる。
「タクアンっ!?」
セイテツが反射的に両手をふってなげた氷塊でそれは砕けた。
一瞬の出来事だったが、まちがいなく《コウドの腕》から飛び出した妖物のかけらのようなものが、タクアンを狙ったのだ。
いや。 まだ、 くる
タクアンを狙ったものがまだ、自分の腕の『黒い部分』に潜んでいて・・・・
ちがう。
これは、『穴』だ




