表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
再度

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/146

なんとかここで 


「ムカデより気持ち悪いな」

 城の壁をこわした腕を凍らせたセイテツがふりかえる。


 つぎつぎと腹まわりにあらわれるその《黒い脚》たちは、見えない何かをけって、すこしずつ『穴』からバケモノの身をださせると、役目を終えたようにまた溶けてかたちをかえ、《黒いうろこ》となってゆく。



 凍った腕をめっしながら、コウドが、シモベを喰ったのか、と顔をしかめ、右目の上をかいたタクアンが、ありゃその刀が通らねえかもしれねえぞ、とスザクをみた。


「ああ、だろうな」

「はあ?おまえ、なにあきらめてるんだよ?」

 あわてるセイテツに、おめえのほうがはいりやすいだろ、とスザクは懐から巻物をだした。

「じじいから預かった」

「おい、・・・『はいりやすい』ってまさか・・・」


 こわれた城の壁に新しい結界をたしおえたタクアンとコウドも寄ってきて、セイテツの着物の懐やたもとに、勝手に術札をいれてゆく。


「これぐらいで、まあ、なんとかなるだろ」

最後にスザクがセイテツの背をたたき、《経》をたたきいれた。



「おまえな、『なんとか』っていっても、あれにどうやって」




「ここで勝てよ」


 タクアンがセイテツの言葉をとぎらせるようにいいつけた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ