表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
北の領土

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/146

将軍も民も守れない兵士


「たしかにそうだな」


 スザクのいつもの冷めたことばに、まっさきに立ち上がったのは、ワギョクのそばでたきぎの火を手に、ひかえていた兵士だった。

「ちがう!!おまえらなどになにがわかる!ワギョク将軍あっての、北なのだ! ケイテキなどが西の将軍になっていなければ、ワギョクさまは立派な将軍のままであった! それなのに、こんなっ、こんなお姿になって、ごじぶんに《術)をかけ、みずからが『境』となるようにしていらっしゃるのだ! シモベのイカズチもワギョクさまとともに『境』になると、こうして『穴』をふさいでいるのだ!だが! だが、この下の穴からでてくる妖物は、あれは、ばけものだ!!きのうはイカズチがおとりとなって戦ってくれたおかげで、どうにかワギョクさまはひきずりこまれずにすんだが、兵の半分は喰われ、ほとんどが怪我をしてうごけない。つぎにあのばけものがでてきたら、北の兵は全滅するしかないっ、・・・もお、、ワギョクさまも、民も・・・まもれない・・・・」

 兵は手にした火を、地面におとし、地につけた両手のあいだに顔をうずめ、泣き出した。



 ワギョクはあごの先まで黒くなった顔をどうにかそちらへむけ、すまぬ、とちいさくあやまった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ