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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
北の領土

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帝は誰を思うてか


「辻はふさいだけど、わざと水場を作ったってことか?」

 どういうことだ?とセイテツが頭をかくのに、帝はどっちの味方でもねえからだろ、とスザクがつまらなさそうにこたえる。

「《ケイテキの中身》に、街中の穴はふさいだかわりに、堀があるからそこを穴として使えとでも言ったんだろ。だが、大堀は色街の近くだったせいで、女たちがその水に『念』をいれはじめて、きっと妖物たちもすんなり出てこられなくなったんじゃねえか」

 なにしろあのギョウトクが術をほどこして、溜まった『念』をうごかしたぐらいだ、というのに、シュンカが『主さま』とよばれた《魚》をおもいだし、なんどもうなずく。




「 ―― だがな」

 

 かすれたワギョク将軍の声がまたひびく。

「 ―― 帝は、なにかと人間に益があるように動いているのを知っているか?『宝物殿』などは、常世のくにからの『穴』があいた場所に建てて『穴』をふさいであるのだからな」



「ほんとか?」

 セイテツがスザクをみるが、首をひねられる。



「ほんとうだ」

 こたえたのはまた、背に人間たちをのせたままのシモベだった。

「 存神たもつがみほどになれば、『術』の役目もする。 そうよな。帝でも消せぬ存在になった存神をそのまま下界にほうっておけば、すぐにケイテキの中身に目をつけられて、つかえる妖物として、《常世のくに》へとひきこまれるだろう。そうなる前に、『宝物』として《この世》にとじこめ、ついでに穴もふさいだのだろ。いわれてみれば、これは人間のためを思うてか」

 シモベはつかれたようにまた地に首を置いた。

「こんな勝手な生き物のために、帝もいままでいろいろと手をつくしてきたなど、 ―― ずいぶんと物好きよ」





申し訳ございません。《宝物殿》《存神》については、『明滅にして 』をひろい読みしてください。。。

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