ハゴロモ山の異変
申し訳ございません。このあたりからでる『ハゴロモ山』に関してのはなしは、『おとぎばなしまえ』のはなしになりまして。。。よろしければ、ひろいよみしてください。。。
「 ―― 約束どおり、西の領地内で作物をつくることができ、北の民もその恩恵をうけ、二、三年ばかりはうるおったのだ。 だが、・・・そのころから、山のほうではおかしなことがおこった」
「ハゴロモ山のあたりか」
セイテツが、将軍がかくれた闇をにらむ。
ハゴロモ山から異変がおこり『オニ』がわきでたことがある。
それにからみ、セイテツのしりあいの女も、その付近の里人たちも、オニにおそわれていなくなり、最後はトクジが出張ってオニを退治したのだが、悲しくて嫌なオニ退治だった。
そうだ、と力のこもらないこえが返る。
「 ―― 北の山は、もう高山の坊主たちにおさめられるようになり、山の『力』がたとえたまっても、妖物もわくことがなくなっていたはずなのに、猟師が妖物をみたというはなしが多くなった。そこで高山から坊主たちがきて『山神』も新しくつかわして、もうおさまったと思ったら、なにやら雲がうごかなくなり、雪がつづき、あっというまに山の近くの里村では、食べるものがなくなった。 ―― おれがきいたときには、もうかなり雪が続いたあとで、すぐに食料を送るよう命じたが、雪の量がひどいうえに、山へ近づくにつれ、また妖物があらわれはじめて、兵たちがなかなか進めなくなった」
「どうしてもっと早くに動かなかったんだ?そのせいで、・・・助けられなかったひとたちがいるんだぞ」
うらめしげにセイテツがもらすのに、「わかっている」とワギョクはいらだった。




