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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
北の領土

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ケイテキの鳥


「 なにが狙いだ? 」

 肩にとまる鳥の気色悪さに顔をしかめてしまう。


 ふつう神官のしたてる『式神』は、紙などを鳥に仕立て、あとを追わせたり、誰かと連絡をとりあうものだ。たいていは、空をとぶ普通の鳥の形になる。


 だが、ワギョクの肩先にとまるそれは、西の将軍の顔をした黒い鳥だった。



 その鳥がいやなわらい方をして、よい申し出だとおもうがな、とまたしゃべる。


『 ―― 前から思っていたのだが、北は領内にある山々の面倒をみているのに、見返りがすくないだろう? 』



 たしかに。山の『力』をおさえるため高山たかやまの坊主が『山神』を置き、祈祷をおくり管理はしているが、実際に山の木を伐ったり獣なども増えすぎないよう狩って山をまもっているのは、北の民たちだ。



『 おれはな、北はもっと《この世》の人々に感謝されていいと思ってる。だが、おれがそんなことを口にすれば、東西南北の均衡がくずれると帝がおもうかもしれんだろ? 』

 あいつはなにを考えてなにをするかわからんからな、と羽をひらいてから、なのでおれは隠れて北を援助しよう、といった。



「 ―― なにが狙いだ?」



 西の将軍のケイテキは、将軍の地位を継ぐ前から、おかしなうわさのたえない男だ。


 しかも、ワギョクと同じように《元神官》だという噂もあるが、こんなおかしな『式神』を仕立てるなど、どう考えても普通の《神官》だったとはおもえない。





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