表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
東の領土

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/146

好み


 さらに奥に建てられていたのは家畜小屋だった。かなりの大きさで、その小屋のむこうに牛と馬がはなされているのがみえ、あれがアラシが食ってたやつか、とセイテツが牛の大きさと毛並みをほめる。


 そのとき、家畜小屋の裏から、いくつもの藁束を肩から上に山のようにもちあげた人影がでてきた。


 兵士が、ヤートさまー、とその人影にむかって手をふった。


 影は持ち上げていた藁束を小屋の脇に投げおいて、こちらへ近づいてくる。



「ヤートさま、こちらが、お知らせしたご一行です。関所でもめた偽の坊主も片付けてくれてたすかりました」


 兵士が大声で報告すると、将軍は腹の底からの笑い声をあげ、着物についた藁をはらった。




 そのわらい声をきき、影が近づいてくるにしたがって、セイテツはおのれの口があいてゆくのがわかった。シュンカも小声で、わ、と声をもらした。



「おお、そこの若い男はずいぶんな美形だな。どうだ?今晩、わしの伽のあいてをするか?」



 草地を足音がするようにふみしめ、一行の前にきたのは、スザクとおなじほどからだの大きな女だった。



「ふざけんな。ことわる」



 シュンカのかわりにこたえたのはもちろんスザクで、そのこたえに女はまた、腹の底から笑い、おまえはわしの好みではないなあ、とつけたし、みなをわらわせた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ