表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
東の領土

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/146

こわい人


 コウドが、こわい人だな、と腕をくむ。

「 牛を喰うからと言って、シモベに毒槍をなげるか?テングとおなじように、おれたち人間などがかかわれないとされてる《雲と風の僕》だぞ?」


 タクアンはわらって右目の上をかき、そうかい?とききかえす。

「高山でも、台所にたくさんネズミがでたら、しびれ薬をしこんだ餌でこらしめるぜ。坊主だって食い物のことになりゃ慈悲だなんだ言ってられねえ。飼って売り物にしてる牛ならなおさらだろう」


 それにわらった兵がうなずきながら、おれたちの将軍は考えるより先に動く人でな、とほかの兵にスザクさまご一行を城へ案内する、と告げて先を歩き出す。

「元神官ということもあって、術もつかうし、なにより勘がいい。 ―― 西の将軍のケイテキが、おかしい存在だっていうのにもずっと気づいていたから、うちは関所で入ってくる人間に対しての調べが細かいんだ」


 気づいてたって、どういうふうに、ときくセイテツの顔をみて、「禁術だ」とこたえた。

「まえに、《土釜》ってのを、西のほうでやった者がいただろう?あのときヤートさまは『こりゃ決定だ』と怒ってた」




  いまどき、こんなもんをほりおこすのはケイテキしかいねえ




「しばらく前は空がみだれていて土砂崩れや川の氾濫もあっただろう?それも気にいらなかったから、あのころから領土に入ってくるものはしっかり調べろってことになった」



「そりゃすごいな。いままで東の将軍については、なにやら大柄で怪力だっていう話しか、きいたことなかったよ」

 セイテツのそれに、コウドが「ヤート将軍のこと、しらねえんですか?」と驚いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ