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事の重さ
まっさきに西の領土へ降りたのは、四の宮の大臣コウセンだった。
内乱に巻き込まれケガを負った者たちや、それに乗じて起こった商店への押しこみや強奪を確認し、シャムショの男たちや役神に仕事をふりわけ、混乱をおさめた。
すぐにほかの大臣たちもやってきて、ケガ人たちは弐と参の大臣のところへ。内乱を起こした者や、暴動をおこしたものたちは、壱の宮の兵によってとらえられ、サモンのところへ送られることとなった。
東、南、北の将軍たちには、領土の中でおかしな病や、みたこともない妖物があらわれたならば、すぐに神官のシキガミをつかい、高山へしらせるように、という命が、帝からだされた。
これにより、ようやく各将軍たちも、事の重さに気付いたらしく、じぶんの領地内に、逃げ出したケイテキがはいりこまないよう、守りをかためた。