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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
南の領土

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ルイシク将軍

「えらく高値をつけてくれたが、四割を南の領地の百姓に分け与えるっていう条件だった。そうか、そういうことか」


「将軍から百姓にだけ金が出たと言われると困るので、シャムショから、作物に対して褒美が出たということにしてもらいました。なにしろあのころはいろいろ不作になってしまって、百姓たちが苦しかったので」


 へえ、とタクアンが感心した声をあげ、やっぱり見た目とちがうっていう噂はほんとうかい、とおもしろそうに目の上をかく。

うわさ?とコウドがシュンカをみるが、シュンカも首をふる。

「南の将軍さんはよ、見た目や身の回りのものがえらく派手で金遣いが荒らそうだが、じつはよく考えたうえでしか使わねえし、なにより領民にえらく好かれてるっていう噂だ」


 ニグイは白い歯をみせ何度もうなずいた。

「南では、絵を描く者や皿をやく者、着物を仕立てる者などが多く集まっております。まあ、もとから家の壁に絵を描く風習があって、そういうところから、皿に色絵をつける、機織りがもとから多かったので、いろいろな布もできる。土地も、暖かいを越えた暑い日が多いので、着物を一日に数回変えるなどのことで、それらの職人が集まってくるようになりました」


「その職人たちから買い上げもするし、ほかの領土への売り込みにも力をいれてるってことか」そりゃ好かれるわけだ、とセイテツも感心する。


「めったにお会いできない皆さまだから漏らしますが、じつは、ルイシク将軍は、人前にでないときには麻の質素な着物しか着ておられません。贅沢とは関係なく、それでじゅうぶんだというかたです」


 わらいをこらえるような言葉の意味は、たしかにそのあと知ることになった。





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