表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
はじまっている

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/146

トクジはそこを動かず


 コウセンが、身をのりだし、二人をにらむように口をひらいた。

「いままでに起こった天災で崩れた山なども、けっきょくは《常世のくに》とのゆがみのせいなのだとしたら、まずは、そういうところからまわってみるといいかもしれんな。むこうだって、大きな穴のあるほうが、でてきやすいだろうから、てあたりしだいにまわるよりはいいんじゃねえか?まあ、あとはおまえらにまかせる」


 たのんだぜ、と肩をたたかれたセイテツは、『大きな穴』を思い描いて、なんだかきゅうに酒の味がしなくなっていた。







 つぎには、下界の色街へとおり、男衆をまとめるトクジとはなしあい、この妖物退治をてつだってくれないかとセイテツがもちかければ、おれはここから動かねえよ、とあっさり断わられた。


「高山からくる坊主と、役神えきがみをつなぐ役にならなきゃいけねえからな。タクアンとコウドはそっちにやるから、それでどうにかしろ」


「どうにかって・・・」


不服そうなセイテツに、トクジはこまったような顔で、いいか、とあぐらの膝をたたいた。


「おめえらは、伍の宮の仲間でもあるシュンカを守らなきゃならねえだろ?おなじようにおれは、この街の仲間を守らなきゃならねえ。そっちでおびき寄せようとしてるアイツが、『化かし辻』からまた出てくるかもしれねえし、だとしたら次は、アイツ一匹で出てくるとは思えねえんだよ。ドウアンかコウアンも、こっちの加勢をしてくれるように頼んである」



 そうか、とセイテツは息をのんだ。

「・・・あの、ホムラも、でてくることもありえるのか・・・」



 あのとき対峙した化け物をおもいだし、顔をしかめる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ