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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
はじまっている

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30/146

アラシも加わり


「まあ、けっきょくは帝の『追う者』が下界にいるからってことで気になったんだろうがな。だがそれも、むこうが正体をここまであらわして、ことを起こそうとしているいま、みる必要がなくなったということだろう。 なにしろ天帝は、この世がどう転ぼうとおのれの身にはなにもおこらないからな。おれたちの占いで相が出なくとも困ることもない」


「帝が邪魔してるのか」

 つまらなさそうにスザクが鼻をならすのに、コウセンは口と首をまげた。


「帝が、というより、《常世のくに》と《この世》との境にできた歪んだ『気』のせいだろう。それがひずんできしんで大きくなってるせいで、地場にも空にも、占型にもゆがみがでる」


「そのゆがみってやつで、『化かし辻』も歪んでいるってことか?」

 それでケイテキの中身は逃げ込めたのか、とセイテツがきく。


 『化かし辻』はいまトクジの札でおさめ、人はとおらぬようにしているときいた。


 スザクが首をまげた。

「いや。あそこはもとから妖物がとおれるようにしてあった場所だ。トクも言ってたがやつがにげこんだあとも、歪んでるって感じはしねえ」


「『歪んでる』といえば、空もかなりゆがみが激しくなってきておるようでな。しもべどももこんどのことではえらく腹をたてていて、アラシはおまえらに加勢するってよ」


「アラシがか?『加勢』ってどんなふうにだよ」

 スザクはうたがうように目をほそめた。



 トカゲのようなからだに翼を持つ風と雲のしもべのアラシは、本来は大臣たちとおなじように、下界の者とかかわりはしない。

 スザクとセイテツには一度助けられたことがるので、ときおりその背にのせて空をとんでくれるが、いつもむこうの気分しだいだった。


「呼べば来ると言っていたし、おまえらが行きたいといういところまで、のせて連れて行ってくれるようだぞ」


 ほんとかよ?とまだ疑うスザクのよこで、セイテツは、やった、と手をたたく。




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