表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
はじまっている

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/146

策は無く


「それに、知ったところで、おれたちはやはり、なにもできなかったしな」


 こんどの騒ぎで大臣たちが下界に出張るゆるしを帝がだしたのは、あくまでも人間をおさめるためだ。



「大臣たちが《中身》をつかまえるのが手伝えないのはわかってるさ。でも高山のぼうさんたちも山をおりてきて妖物退治に手をかしてくれることになったんだ。助かるよ」

 セイテツは本心から息をつく。

 この先、《常世のくに》とのゆがみのせいで、妖物はあちらこちらから出てくるだろうと予想される。じぶんたちはそれらを気にせず、ケイテキの中身だけを追えばいいとなれば、かなり集中できるはずだ。



 おまえらは、ザコは相手にしねえってか、とわらったコウセンは杯をいちどおく。

「―― で、トクジ殿がくわだてたとおり、おまえらはシュンカをえさに、むこうをおびきよせるのが、いちばん早いというわけか?」


 まだすこし納得いかない男は腕をくんでスザクをにらんだ。


「それ以外になにかいい策でも思いついたかよ」


「 ―― 思いつかんから腹が立つ」

 のみほした器を坊主になげつけたが、しっかりつかみとられテーブルに置かれた。


「思いつかねえでも、大臣たちの占型になにか出ねえのか」

 スザクがコウセンをにらんだ。

「だいたい、この前からの顔を剥ぐ騒ぎにしたって、あれも何もでてなかったのかよ」


「・・・でてねえ、というか、・・・なにもみられない。じつはな、あの、三月先をよむための卦相だって、もとは帝にいわれてやりはじめたことだ」


「ほんとか?そりゃ、下界を気にしてってことで?」

 セイテツが意外な思いでききかえす。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ