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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
はじまっている

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見ていたコウセン



 4.



 高山からもどった坊主と絵師は、一度天宮へともどり帝に会っておきたいとおもい、コウセンに伝えたのだが、帝のほうは会いたくないというこたえがきた。


「 ―― そりゃきっと帝は、《ケイテキの中身》がいまどこにいるか知ってるだろうが、おまえらに教えるつもりはねえだろうなあ」


 伸びた髪は後ろでまとめ、このごろは髭ものばさず身なりもととのった四の宮の大臣は、シュンカが参の宮に泊まりにいっているのを知ったうえで伍の宮へやってきて、携えてきた酒をだした。


「今思えば、あの東の山崩れも、ひどく続いた雨も、 ―― いや、もっとたどれば、おれがあのトクジ殿とはじめた会ったときのオニをつくりだした北の雪のことも、空が荒れたのはホムラの禁術のせいだけじゃなく、《常世のくに》との境目がゆらいだせいだったかもしれねえなあ・・・」


 髭ものびていない顎をかきながら、手酌でついだ酒をのぞきこむよう口をつけ、坊主と絵師に、《帝の中身》についてはなしはじめた。


「おれが、 ―― 帝に拾われてこの天宮にきた時には、ヒョウセツが先にいてな。人間の世をおさめてるっていう天帝がいるって噂はきいていたが、まだ人間のほうじゃあそれほど信じられてるはなしでもなかった。まだ、人間同士の争いで忙しかったしなあ。まあ、初めて会ったときには姿も白猫とか鼠だったりで、話すこともなかったんで、てっきりしゃべれないのかと思っていたが、《くちだし》なんてのをするのを知ってな。 あるとき、 ―― 下界からこどもをふたりよびだした」



「それが、ジュフクどのたちの兄弟か」

 

 伍の宮の庭に置かれた円卓をかこんだ絵師と坊主は、四の宮の大臣がもってきてくれた酒をなめながらそれをきく。

 



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