変わらないやりかた
1.
―――――
ぐしゃっ
つぶれた音に坊主が顔をしかめる。
だからよお、とスザクが首をかくと、従者がつぶれた残骸にかけよって、懐から塩をだしてすぐにまく。
「 ―― てめえのそのやりかたは、あとが面倒だ」
こっちにまでとびちるじゃねえか、と坊主であるスザクは顔をしかめる。
「でも、確実ですし、氷はとければ残りません」
塩をまきおえたシュンカは、セイテツをみてほほえんだ。
「だろう?やっぱシュンカはわかってんだよなあ」
絵師でもあるセイテツは、塩をまいたシュンカの肩をひきよせた。
このごろの妖物退治は、セイテツのつくりだす氷の塊で、一息に潰すことが多い。
潰したあとの氷をセイテツが細かく砕き、つぶれた妖物には塩をまくので、手間はかからない。
むこうからもどったコウドも、手にした氷のかたまりを手先でゆらしてみせた。
「セイテツどのがつくる氷は、硬さがちがう」
それは、セイテツが氷でつくったクナイで、コウドはこのごろは、このクナイをなげることのほうが多い。
セイテツはもう片方の腕をのばし、おまえもわかってるなあ、とコウドの肩をたたき、なんか楽しいなあ、ののんきな声をだす。