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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
はじまっている

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高山(たかやま)



 3.




 二日と半日ほどかけてその山の上についたときには、セイテツは苦し気な息を整え、従妹のドウアンに会ったときに言ってやろうと思っていた言葉はなにひとつ出てこなかった。



「まあ、登りきれただけ、ほめてやろう」

 七つとしうえのこの従妹から、いままでほめられた記憶はない。喜んでもいいところかもしれないが、それどころではなかった。


「ここで修行を続ければ、一日でのぼれるようになるぞ」

 コウアンが、どうだ、と誘うがもちろん断る。



 息も整いだし、呼吸のコツもつかめたところで、ようやく高山たかやまとよばれる坊主の修行場の全容をみわたせるようになり、その立派な造りに感心することとなる。



「こんな山の上に、よくつくったもんだ」



 とがった屋根の大小さまざまな建物が、むこうまで点在している。ひときわ大きなそこは、大教堂とよばれる壁もない板の間だけの塔で、屋根をささえる太い柱五本と、真ん中に大柱とよばれる丸い柱がその五段にかさなる板の間をつらぬいている。

 

 上のほうから何十人かの坊主たちが経をうたう声が、そばを通ったセイテツたちへながれおちてくる。





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