なにか変わるか
セイテツが頭をかきながら、そうか、と立ち上がる。
「元のケイテキもどこかで、じぶんを乗っ取った『中身』を始末しようと考えていたんだな。だからのまれないようにして、サモンに『始末』を・・・んん? サモンにケイテキが髪を切られたのってあのときだよなあ・・・・なあサモン、はじめからケイテキを『始末』するつもりでここに来てたのか?」
顔をみた壱の宮の大臣は、赤くなった鼻をすすりながら、額にできた割れ目をなで、ただ微笑んだ。
セイテツはなんだかきゅうに、自分だけおいていかれたような気分になる。
「ちょ、ちょっとまてよ。スザクは知ってたのか?おい、大臣たちはどこからどこまで知ってて、いつから」
「知ってどうする?それでなにか変わるか?」
コウセンが砂をおさめ終えたヒョウタンをふり、サモンの背を押しながら空にむかい、かえるぞ、とさけんだ。
すぐに黒い影が星空にあらわれ、おそかったな、と文句のようなことをいうアラシがおりてきた。
コウセンとサモンに続いてのろうとしたセイテツとスザクは、硬くてながい尻尾ではらわれた。
「おまえらまでのせたら重くてかなわん」
「なんで!?まさか、またもとの扱いってことか?」
「まあ、元にもどったんなら、そういうことだろうな」
スザクが冷静にうけとめる。




