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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
ケイテキの中身

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身と魂で報(むく)う



  ぱしん



 なにかが弾けるような音がして、セイテツはわれにかえった。



 たしかにケイテキは許せるような将軍ではなかったが、いま、ここに出てきているケイテキは、いままでのケイテキとは違う人間かもしれない。



「 テツ、言っとくがな、あれは、ケイテキだぜ」

 スザクがそっけない声でささやいた。


「・・・わかってる」

 この男なりの、セイテツをおもいやっての言葉だった。



 むこうの地面で《おさえられるもの》と《おさえるもの》にわかれたケイテキのほうを顎で指し、ゆるくわらう男が指をひとつ立てた。

「そうだ。ありゃあ、どうみても、『西の将軍』だったケイテキだ。 二人にみえるが、そりゃサモンの《術》であの囲いの中だけでそうなった。実はまだ一つだからな。 さて、ケイテキよ、おまえがさっきじぶんで言ったように、下界の者たちを、ずいぶんときけんなめにあわせてきたな。 ―― 《罪》をみとめるか?」




「 コウセンさま、このケイテキ、 ―― 『西の将軍』として、せめて最後は 、・・・このおのれの身と魂をもって、《この世》にむくいる所存にございます」



「 ―― わかった。 いいか、ケイテキ。おれはおまえに同情してるんじゃねえ。サモンだってそうだ。いまのお前にじゃあなく、ウツワにされちまった子どもころのおまえに、すこしだけ同情したんだ」

 立てていた指を、つうっと横に動かした。



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