表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
テング

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/146

脚いっぽん


 いままで餅のようにのびていたそれは、もはや『伸びる』ことを許されなくなったのか、スザクとセイテツの目の前にある土の中から、埋まっていた下の部分がいっきに引き抜かれてゆく。


 それはいくつもの瘤がかさなった、土の中で育つ黒い野菜のようでもあったが、『瘤』にはしっかりとさっきの口がついていた。

 野菜のようにたやすく引き抜かれる黒い瘤のつらなりが、かたちをかえはじめる。



「どうなるってんだ?オニにでもなるのか?」スザクが刀をかまえる。



 みているあいだに、土から抜かれた黒いモノは、天に足先をむけた一本の《脚》になりはじめた。



「なんだよ。オニにしたって、でかいな」セイテツも両手に力をためはじめた。



 あれが《脚》なら、この城の三つ分くらいだろ、とみていたら、《脚》に膝ができ、さらに引き抜かれて、股のつけねあたりまで出たとおもったら、かんじんの身体はでてこずに、しばらくして、また膝がでてきた。




「スザク!もう出つくすぞ!」



 囲いの真ん中部分をいちばん上でひいていたヨクサがさけぶと、とつぜん《黒い脚》が細くなり、残りが一気に抜け出た。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ