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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
テング

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112/146

あとは任せて


「人が浴びりゃ腐るが、テングは火傷か」これなら平気だろう、と駆け寄ったヨクサにタンニをほうりなげた。

「賢くねえ頭をもつと、下のもんは災難だな」


「だまれ!くそ坊主! タンニ、痛いか?平気か? かわいそうに。おまえは賢いが、からだの動きが鈍いからのオ。 ―― だが気にするな。 われが、おまえの『あだ』をうってやるからの。 いや、ミカドも天上人もみておったろう。あの、《常世のくに》からきたモノが、こともあろうに、われら テング をねらい、傷つけたよなあ?」

 くそ坊主も元神官もみておったろう?とにやりとすると、火傷は痛いか?翼も折れたかもしれんなあ、と返事をしないようにタンニの顔を豊満な乳房の間にしずめ、わかったぞまかせろ、と息ができないように抱え込んだ。


「 ―― ほんらいわれらは空の者。地で起こることには手出しはせぬ。 だが、高山も帝も手伝いに降りてこいというので、こうして手伝いにまいったが、いやー、まさか、手出しをされるとはなあ。これはもう、手伝いではなく、タンニの『かたき』をうたねば、われらテングの名折れじゃ」そうであろう?と上をとびかう仲間にさけぶと、おおう、と声がかえってくる。

「そうか、タンニ、あとは任せてくれるか、ではおまえは休んでいろ」

 ずっともがいていたタンニがヨクサの力強い抱擁でしめあげられて力をなくすと、ヨクサはそのからだをそこへ放り、タンニが守った棍だけ拾いあげて、スザクにわらいかけた。


「よいか、くそ坊主。『賢すぎる』というのも考えものでな。どうしても、ここまで、と決めた先へと出ようとしなくなる。 相手もそう考えていればそれもよかろうが、相手は、アレぞ」

 

 山のように盛り上がった黒いものが、ぶよぶよとゆれている。





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