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おとぎばなし ― ここまで ―  作者: ぽすしち
テング

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110/146

だからなんだという


 テングたちが空から落とした光る線は、いまはもう目にみえない。

 《元神官》であるセイテツにはテングの《囲い》の《術》はよくわからないが、どうやら《囲い》はただのあみというものではなく、蜘蛛の巣のようなものであるらしい。


「みろよ。ふつうの妖物なら、テングの《囲い》なんて被せられりゃ動けなくなるだろうが、あのバケモノはまだ動けるみてえだな」

 スザクが鼻をならし、『腕』も『口』もしまいこんだ《黒い山》を目でさした。



 それは息をするように、ふくらんだり縮んだりをしはじめて、ヨクサの「はなれろ!」という命令で、テングたちはまた上にとんだ。



「『気』を練って、囲いから飛び出そうとしているな」

 スザクたちのそばにひとりだけおりたったタンニが額の汗をぬぐい口をまげ、アイツは変化も自在か?とスザクとセイテツをみた。

 たぶんな、と坊主がこたえると、水にもなるか?とセイテツをみた。


「どうかな。ホムラだったやつは、おれが当てた氷は刺さったけど、そこから凍ることはなかったから、水とはちがうんだろ」

「ただ、ちぎれたあと、垂れたりしたからな」やわらかくはなるんじゃねえか、とスザクが腕をくんだとき、膨らんだ黒い山の表面に、上空からいきなりヨクサが投げつけた棍が突き刺さった。




「柔らかいからなんだというのだ?」


 空で腕を組む女が、棍のささった場所から黒くぬかるんだ泥のようなものをふきだすそれをみおろす。




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