《天守さま》たち
申し訳ございません。ひゃくをこえました。。。
まだ土ぼこりが舞い視界は晴れないが、揺れはつづき、布団のようにはがされ、まくられた地面が割れてできた小山のあいだに、頭のような丸いものがでてきているのがうっすらとみてとれる。
「 まあな、おれとスザクだけだったら、ふたりに山にいけなんて、おれはいえないよ」
セイテツが藁色の頭をかいて、うすくわらう。
タクアンがコウドの背をたたき、あの方たちにあとをまかせる、と空をさした。
崩れた城からみあげた灰色のむこうの空に、なにやら黒い点のあつまりがあった。
口をあけているコウドに、その点が、人のかたちをしているのだとわかったときには、タクアンに腕をひかれ、兵士とシュンカたちが逃げたとき開いたままだった扉をでた。
まだ空をみるコウドは、堀を渡るぞと急かされ、腕をひかれながらそこをわたる。
「 もしかして、ありゃ・・・」
「《天守さま》たちがでるのを、帝も許したってことだ」
むかってとんでくる《天守さま》とよばれるテングたちの手にあるものが光を放ち、重い色の空に、光の線がひかれはじめた。




