『新大陸三番目の村ココカカ村』
安息日前の昼下がり、冒険者は剣を振り、魔法を唱え、泥を被りながらクエストをこなしているだろう
未知の魔石の採掘、秘薬の原料の採取、人を襲う魔獣の討伐、商人の護衛、新しく見つかったダンジョンの偵察、尽きることのない冒険が新大陸にはある
ココカカ村は新大陸三番目の村だ
小高い丘を拠点に石造の村が作られ、十年前は最前線と呼ばれた。簡易な宿泊所と僅かに酒の飲める飯屋しかなかったが、今では多くの冒険者を抱えるギルドが複数常駐する冒険者村である
商店通りには人が溢れている
村が大きくなり港と最前線だけだった道が四方に伸びた
多くの商人はココカカ村を通り新大陸の最前線へ、あるいは旧大陸への帰路として使っている
商店通りには出店も多い。新大陸で見つかった珍しい素材、村で採れた食材、簡単な串焼きや飲み物もある。最近は工房も作られ、新作の甲冑や打ち直しの剣なども売られている
がやがやと賑やかな村の中心部は明日の安息日を待ち侘びているようである
しかしきっと冒険者の数は少ないだろう
もし今村に残っている冒険者がいるなら未知の冒険に心躍らせる新人冒険者か、よっぽどの怠け者に違いない