第七話 指名手配されている件
「いい加減働きなさい!」
「うぉっ!アリスか。急に大声出すなよ」
「大声出すなよじゃないわよ!働けって言ってんの!」
そう、アリスの家に居候してから三日たった。
あれから俺がなにをしていたかと言うと、色々あって疲れたので引きこもっていた。堂々とアリスのお金を使って。
「何で私が養わないといけないのよ…」
いやまあ確かに、世話になり過ぎてる感はあるな。
いや一応俺も気は使うからね?できる男だからな。
「分かった。俺が悪かった。働こうじゃないか」
「本当⁉︎それは良かったわ。そうね〜夜空はステータスが化け物だから冒険者ギルドに行きなさい!」
ちょっと?その決め方酷くありません?
てかやはり異世界にはギルドがあるのか。少し楽しみだ。
「分かった。それじゃあ行ってくるよ」
「頑張ってね〜!」
嬉しそうに手を振ってくる。
そんなに俺が邪魔でしたかね。はあ。
〜〜〜〜〜〜〜〜
『叡智』で場所を調べ『転移』で移動すると、そこには看板に冒険者ギルドと書かれた、少しボロい三階建ての一軒家があった。
早速中に入ってみる。
中は外見と違い清潔感があり、あまりギルドという雰囲気がしない。
だがしかし!周りには酒を飲んでる荒くれ者達がいっぱいいた。ギルドのイメージっぽいのかイメージっぽくないのかハッキリしろよ!中途半端だろうが!
そんなことを思いながら、唯一女性がいる受付のようなところに行く。
「ちょっといいか?」
「何でしょうか?」
「お金を稼ぎたいんだが…」
「冒険者の登録ですか?ではまずこちらの書類のご記入をお願いします」
そう言って書類を何枚か渡される。
どれどれ。書かれているのは、名前と住所、そしてスキルなどの欄だった。住所とスキルは適当に埋めておく。
「できたぞ」
受付嬢に書類を渡す。すると、受付嬢は驚愕の表情を浮かべながら、
「く、黒崎夜空様で間違いはございませんか?」
「そうだが?」
すると受付嬢は勢い良く立ち上がり、冒険者達に呼びかける。
「皆さん!指名手配されている黒崎夜空です!捕まえてくださーい!」
声をかけられた冒険者達はこちらを見ると、すぐに襲いかかってきた。
指名手配⁉︎いったい俺が何をしたってんだ。
相手するのも面倒臭いので、すぐにアリスの家へと転移する。
「はあはあ」
「あら早かったじゃない。どうかしたの?」
「なあ俺って指名手配されてんのか?」
「……あ!そういえば夜空指名手配されてるのよ」
「何でだ!」
「そりゃ、勇者が抜け出したのだから指名手配ぐらいされるでしょ」
マジかよ⁉︎その可能性全く考えてなかったわ。
てゆうか王様、細かすぎません?良いじゃん一人くらい。
その事をアリスに伝えると、アリスは呆れた表情で、
「いや、勇者は一人だけでも強いものよ。まあ夜空の場合、格が違いすぎるのだけど」
「でもどうすんだよ。これじゃあまともに働けねーぞ?」
「指名手配は王にしか取り消せないのよねえ」
王、本当に面倒臭いわ。
だが同時に名案が浮かんだ。王に直談判しに行って、指名手配の取り消し&慰謝料ふんだくろう大作戦である。
働けるようになりつつ、金も手に入る。
何という名案!
「というわけで行ってくるわアリス。」
「待ってどういうわけよ⁉︎説明しなさいよ!」
アリスの声をスルーしつつ、俺は転移した。




