第六話 住む家
「起きなさい!」
「うおっ!」
罵声と共に叩かれ、跳ね起きる。
まだ脳があまり働いていないが、なんとかその人物を確認する。
「なんだ剣聖か」
「なんだじゃないわよ!貴方誰⁉︎そしてなんで貴方が私の家にいるのよ⁉︎」
そういえば城から剣聖の家に転移した後、疲れたから寝てしまった記憶がある。
家に知らない男がいるんだ。確かに驚くわな。
「落ち着け。俺は黒崎夜空だ。そして俺は、お前が倒れちまったから家まで送ってやったんだ」
「それは……ありがとう。だけどそれとこれとは話が別よ!まずなんで私の家を知っていたの⁉︎」
「それは…スキルで分かった」
「そんな馬鹿げたスキルがあるの⁉︎」
お前、スキル『叡智』を馬鹿にするなんて…。
Ap○leとGo○gleを敵にまわしたぞ。
「というか…夜空は私を怖がらないの?」
「どういうことだ?」
「いいから答えて」
「いや全く怖くないぞ?弱いし」
すると剣聖は一瞬、嬉しそうな顔をしてからすぐに怒ったような表情になり、
「言っとくけど私は弱くないわ!」
「最初の打ち合いの衝撃で気絶したのに?」
「それは………たまたまよ!」
あれがたまたまか〜。ちょっと無理あるけどな。
面白そうだからステータスを見せてみるか。
「おい剣聖、じゃあステータス見せてやろうか?」
「そうね、見てみたいわ。なんか夜空のステータス、鑑定を使っても分からないのよ」
どうやら『隠蔽』は上手く機能しているようだ。
後何か必要なスキルはあるかな。ちょっと考えておくとするか。
「『ステータスオープン』、『開示』ほら剣聖」
開示して俺のステータスを剣聖に見せてやる。
すると剣聖は、驚愕の表情を浮かべたまま気絶した。
少し時間がたつと、剣聖が復活した。
「ここはどこ?」
「お前の家だよ剣聖」
「うわっ化け物!」
「お前………かなり傷ついたぞ」
「だってなにあのステータス!馬鹿なんじゃないの⁉︎」
めっちゃ、えぐってくるんですけどこの人。
やっば隠蔽必須です。化け物扱いされるわ。
「まあそんなことはどうでもいい」
「良くないわよ⁉︎」
なんかこのやり取り二回目だな。
まったく、細かい男は嫌われるぞ?いや剣聖は男じゃなかった。
「頼みがあるんだ」
「何?」
「ここに住ませてくれ!」
「……!それってプロポーズ⁉︎」
「アホか!普通に住む家がねーんだよ!」
そう、多分俺なら今にでも『操作』で地球に帰れるようなスキルを習得出来ると思う。
だが勇者の仕事を放棄した今、地球よりこちらの方が自由に楽しく生きれると思うのだ。
なのでこの世界を楽しむために、色々な国を見て回ろうと思ったのだ。まずは今現在いる王国からと思ったのだが、あいにく金がない。
ということで剣聖の家に居候しようと思ったのである。
「頼む剣聖!お前しか頼れねーんだ!」
「……アリス」
「?」
すると剣聖は顔を赤らめ、
「わ、私の名前はアリスよ。アリスと呼ぶなら考えてやらないことはないわ」
ヤバい急に可愛く見えてきたんだが。
まあ今はそんな場合じゃない。
「頼むアリス!」
するとアリスはとても華やかな笑顔をこちらに向け、
「わかったわ!」
と言ってきた。ドキッとしてしまったことは内緒である。
こうしてアリスの家に住むことになりました。




