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異世界転移した日に世界最強になってしまったんですが  作者: ペテグリュー
第二章 レギオス王国
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閑話 忘れられていた人達

時系列的には夜空が獣国に向かっている少し後です。


「よし!みんな!倒したぞ!」


ある洞窟の中で、神宮寺勇希は声を上げる。

その声は歓喜に満ちていて、何かをやり遂げたかのようだ。

すると四方八方からも歓喜の声が上がる。


「やったわ!」

「よっしぁ!ようやく倒せたのか!」

「あいつを…この俺が…」


飛び跳ねて喜ぶ者、雄叫びを上げて喜ぶ者、中には自分のしたことに驚く者…。


そう、ここ【アズカール洞窟】にて勇者と呼ばれし者達が歓喜していた。


彼らはたった今、魔王の次に強いと言われている、古帝龍アズカールを打ち倒したのである。

勇者と言えどアズカールは強敵であった。

この人数で約一時間、休憩を挟まず、攻撃を続けた結果ようやく倒せたのである。


皆が喜びに浸っていると、綺麗なソプラノの声が聞こえてきた。


「勇者様方!わずか二週間であのアズカールを倒してしまうとは!凄まじい偉業です!」

「ああリリアーナ。これで魔王討伐も夢ではないな」


王女の声に神宮寺が答える。

転移された日から一生懸命に鍛錬に明け暮れ、ステータスを上げてきた。

そして彼らがここまで喜んでいる理由。

それは、元の世界に戻れるかもしれないからだ。

アズカールを倒せたことで、彼らに魔王討伐の現実味が湧いてきたのだ。俺たちならやれる、と。


そして神宮寺は皆に強く呼びかける。


「皆!俺たちはもう魔王を倒せる!途中で臆病者が出たけども俺たちは違う!そうだろう?皆で魔王を倒して元の世界に戻ろうじゃないか!」

「おーー!」


神宮寺の声に皆、拳を強く上に突き上げる。

ちなみに、臆病者というのは夜空のことである。

かなりの好待遇を受けておいて、逃げ出す。

それは彼らにとって臆病者としか考えられなかったからだ。


「勇者様方、ついに魔族領に攻める時が来ました。皆さんなら大丈夫です!やってやりましょう!」

「おー!!」



夜空が初日で最強になり、自由に生きている中、彼らは魔族領に突き進むことを決めていた。



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