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異世界転移した日に世界最強になってしまったんですが  作者: ペテグリュー
第二章 レギオス王国
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第十三話 差別


まずは荷物の準備だ。

取り敢えず食料を買い込まないといけない。

腹が減っては戦はできぬって言うし、旅の途中で食料が無くなるのは困る。

まあ腹が減ってても戦は出来ると思うんだけどね。


なのでマーラと商店街へとやって来ている。

昼頃来たからか、商店街は多くの人で賑わっている。

地球で聞いたことのあるような、売り込みの声が四方八方から聞こえている。


「ご主人様。さっきから周りの人が私を見ているんですが…」


そう、さっきから周りの奴らはマーラに軽蔑に似た視線を向けてきている。すぐさま俺が睨み、顔を背けさせるのだが、どうやら気づいてしまったようである。

やはり獣人のことを多くの人は差別しているようである。マーラの顔を見ると、多くの人は好意の視線を向けるのだが、耳や尻尾を見るとすぐさま軽蔑の視線に変わる。

俺からすれば気分の良いものではない。


「早めに買い物を終わらせよう」

「…?分かりました」



〜〜〜〜〜〜〜〜


買い物には意外と時間がかかってしまい、気づけば夕暮れ時になっていた。

早めに終わらせようと思ったのにこれかよ…。


俺とマーラは二人でアリスの家に帰ろうとしていた。


「意外と時間がかかっちまったな」

「そうですね。でも私はご主人様とデートが出来て、楽しかったですよ?」

「冗談言うなって。本気にしちまうから…」

「…別に冗談ではないのですが」


最後にマーラが小声で何か言った気がするが、上手く聞き取れなかった。

童貞ぼっちこと俺は、些細なことでも勘違いしてしまうのだ。

現に中学の時は痛い目を見た…。


とそんな時だった。

突然人ごみの中から、一人の男が短剣を持ち、マーラに斬りかかってきたのである。


一体なんだと思いながら、『武器創造』で日本刀を創り出し、軽々と受け止める。

マーラは怯えており、俺に抱きついてきている。

マーラのことを思い、少し怒気を含んだ声で言った。


「なんだ?お前は」

「なぜだ!なぜ庇う!獣人は敵だ!皆殺しだ!」


と男がヒステリックに叫び始める。

なんか頭おかしい奴に出会ってしまったな。


「なぜそんな獣人を嫌う?」

「俺の親友は獣人との戦争によって殺された!なぜ!なぜ殺されなければならなかった!獣風情に!」


なんだこいつは。

というか人間族は獣人とも敵対しているのか?

まあ策はあるので、獣人の国には行けるだろう。


今はそれより、マーラを怯えさせ、馬鹿にしたこのクソ野郎の断罪だ。


「うるせえよ」


俺は男の顎に蹴りを一発入れる。

すると男は弾丸のように吹っ飛んでいき、見えなくなった。

うん、手加減はしたからきっと死んでない。

多分…ヤバイ自信がない。


「ご主人様……」


マーラが泣きそうな顔でこちらを見てくる。

なんでこんな美少女を斬ろうとするかね。

というか全国の獣っ子が好きなオタクに謝れよ。


「取り敢えず帰ろう」


すぐにこの場を後にしたかったため、俺達は転移した。





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