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異世界転移した日に世界最強になってしまったんですが  作者: ペテグリュー
第二章 レギオス王国
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第十一話 マーラの治療


転移でアリスの家に戻ってきた。

確か名前はマーラだったな。

マーラをベットに座らせる。

いやそういうことするんじゃないよ?

童貞ぼっちの俺にはそんな度胸はない。


「『叡智』発動。マーラを治すためには」

『光魔法の完治を使うべきだと思います』


光魔法か…。

確か俺は全属性を含んだ、スキルの魔法LVMaxを持っていたはずだ。

そういえば俺は魔法をまだ使った事がなかったのか…。

初魔法だ。失敗したくない。

まあスキル『魔法』を持っている時点で、使い方が頭に入ってるから失敗するはずがないんだけどね。


俺はいまだ諦めた表情をしているマーラに向けて、手を広げ詠唱を開始する。


「光の精霊よ……」


いやちょっと待てよ。詠唱面倒臭くね?

しかも俺、噛まずに言える気がしないんだけど。

生麦生米生卵の早口言葉すら言えないからなあ。

ここはいっちょ無詠唱を習得したい。

俺は『操作』で『無詠唱』とステータスに書き込む。

良かった。習得出来たようだ。

以前、家事スキルが習得出来なかったことから、この世界にないスキルは習得出来ないと分かったので、書き込む時がドキドキなんだよな。


そして俺はもう一度、マーラに向けて手を広げ、


「『完治』」


と唱えた。

すると、マーラの傷が一瞬にして癒えていき、なくなっていた右耳と右腕も再生した。

あとは綺麗にしてやるか。


「『浄化』」


浄化によって、マーラの汚れが消えていく。

そして次の瞬間、俺の目に映ったのは整った顔立ちに、太陽のように輝いている綺麗な金髪、そして可愛らしい獣耳と尻尾を持った狐の美少女であった。

想像より容姿が美しかったので、少し驚く。


「ふぇ?」


マーラが変な声を出した。驚いているのだろう。

というか声綺麗だな。

地球だったら、声優さんとしてやっていけるんじゃないか。


するとマーラは自分の体をペタペタと触りながら、


「あれ?耳は、右腕は、傷は…?」

「落ち着け、全部治った。自分で見てみろよ」


そしてアリス愛用の手鏡をマーラに渡す。

許せアリス。近くにあったんだ。


マーラは自分を写した手鏡をまじまじと見つめ、それから目に涙を浮かべると、俺に抱きついてきた。


「わ、わ、私ぃ。もうダメだと思ってたんですぅ」


と俺に抱きつきながら号泣する。


こういう時の対処法が分からない童貞ぼっちです。

だがきっと辛すぎたのであろう。

体の一部がなくなったことも、奴隷商にいたことも。

王女ならなおさらだ。


俺は優しく静かにマーラの綺麗な金髪を撫でる。

耳が当たりそうになるが、触らないように注意する。

嫌がるかもしれないからな。

するとマーラは安心したのか、俺の胸に顔をうずめて更に泣き始めた。

俺はずっとマーラを撫でていた。


〜〜〜〜〜〜〜


マーラが泣き始めて一時間ほど経っただろうか。

急にマーラが静かになったので、どうしたと思い、よく見るとスヤスヤと眠っていた。

起こそうと思ったが、その寝顔を見てやめた。


とても安心した表情だったのだ。


きっと奴隷商では絶対に見せなかったであろうこの寝顔。

この表情が見れただけでも、買って良かったと思う。



今は一緒に寝るとするか。










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