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異世界転移した日に世界最強になってしまったんですが  作者: ペテグリュー
第二章 レギオス王国
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第十話 奴隷商

転移した俺は、奴隷商と書かれた看板がある、少しボロそうだがアリスの家の五倍くらいありそうな、大きな建物の前に立っていた。


ここが奴隷商か。ギルドより大きいのかよ。

取り敢えず中に入ってみる。


すると、小太りしたちょび髭の男がやって来て、


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか」


あ、店員さんか。

でも俺、店で話しかけてくる店員さんメッチャ苦手なんだよな。地球でもそうだったし。

ぼっちにはちょっと厳しい。


「ええと、奴隷を買いたいんだが」

「どのような奴隷をご求めでしょうか?戦闘奴隷や愛玩奴隷など様々な奴隷がいますが」

「家事が出来る奴隷が欲しい。」

「了解しました。しかしご予算は…?」


まあこんな若造がそんな高い金持っているとは考えないだろう。

俺は金貨の入った袋を店員に見せつける。

すると店員は驚いた表情で、


「申し訳ございません。今ご案内します」


そして部屋の奥へと案内される。

そこには奴隷が沢山いた。


「ここが家事の出来る奴隷達です。お選びください」


そして一人ひとり見ようとして…やめた。

ここの奴隷はみな、媚びをうっきているのである。

俺がきた途端、投げキッスをする奴や自分の服をはだけさせる奴もいる。

俺はビッチのような奴が苦手である。これもぼっち体質からだろうか。

まあどうせなら旅を一緒にするのだから、楽しく過ごしたい。


「他にはいないのか?」

「…?お気に召しませんでしたか?」

「まあそうだな。他にいないのか?」

「いるにはいるんですが…」

「何だ?」

「いえ負傷奴隷と犯罪奴隷なのです。あまりオススメはしませんが…」


いや犯罪奴隷は俺には無理だわ。

だが負傷奴隷はどうだ?

負傷なら治せそうだし。


「負傷奴隷のところに案内してくれ」

「了解しました。ですが今現在、負傷奴隷で家事が出来そうな者が一人しかおらず、さらにその者は獣人ですが」

「構わん。その一人のところへ案内してくれ」

「了解しました」


やはり獣人はいるのか。

流石テンプレ異世界。こういうところは抑えてくるね。


そして更に奥の部屋に案内される。

進むごとに少しずつ清潔ではなくなってくる。

多分扱いが違うのであろう。


「こちらがその奴隷であります」


そこにいたのは、右耳と右腕がなくなっている、獣人の少女だった。汚れてはいるが、綺麗にすると多分輝かしく見えるであろうショートカットの金髪と、綺麗な碧眼が印象的だった。耳と尻尾の感じから考えて、多分狐だろう。


俺はその少女をよく観察する。

どこか諦めた表情。この顔を俺は知っている。


俺が七歳の頃、親が交通事故によって突然死んだのだ。

その出来事から二年間はこんな顔だった。

七歳にとっては辛すぎたのだ。


もはや死にたいとも思っているのだろう。

少し仲間意識が湧いた…。

何でだろう、ぼっちなのに。


そして決め手となったのが少女のステータスだ。



名前 マーラ=パレスト

性別 女

種族 狐族

年齢 15歳

レベル 11

体力 75

筋力 62

耐久 58

敏捷 95

魔力 98


〈種族スキル〉

変身


〈スキル〉

気配察知LV1、光魔法LV2、風魔法LV2、自動回復LV3


〈称号〉

パレスト国の第一王女




流石に王女だとは思ってもなかった。

というかパレストという国があるのか。

この少女から考えて、獣人の国なのかもしれない。

少し興味が湧いた。次はパレストに行ってみるか。

ならこの少女は案内役としても役立つ。


「なあこの少女は家事はできるんだな?」


さっきの店員に話しかける。

家事が出来なかったら意味ないからな。


「はい、片腕がありませんが、以前やらせてみたところ、出来ていたので問題はないかと」

「わかった。じゃあこの少女を買う」

「本当ですか?本当にこの奴隷で?」


店員は信じられない、と言った感じで聞いてくる。


「獣人ですよ?」


ああなるほど。

この世界で獣人は人間族に差別されているのか。

差別と言えば小学生の頃、よく「夜空菌だ〜」とか言われていたな。そういうことを言われるといつも思う。

その菌にはどのような影響があるのか、と。

なんか思い出すだけで泣けてくるぜ。


「構わない。早くしてくれ」

「分かりました。隷属の首輪と隷属の印、どっちになさいますか?」

「それはどう違うんだ?」

「首輪はそのまんまですね。首輪で言うことを聞かせます。そして印の方は直接体に魔方陣を書き、言うことを聞かせるという感じですね。大体の人は印を選択しますが」


首輪って王が俺に着けさせようとしたやつか。

その首輪を使うのは少し抵抗があるな。


「印の方で頼む」

「分かりました。では少しお待ち下さい」


すると店員は少女の腕に何か魔方陣のようなものを書き始めた。

少女は一瞬ピクリとしたものの、すぐに大人しくなる。


「出来ました。ではこの魔方陣の中に指をお当て下さい」


言われた俺は、人差し指を少女の腕の魔方陣につける。

随分と痩せてんな。こりゃ食わせてやんないとな。


すると魔方陣が淡く光り、色が濃くなった。


「契約完了です。これでこの奴隷はお客様の物です。お会計は金貨二枚です」


意外と安いな。多分負傷奴隷なのが関係しているのであろう。

そして金貨二枚を店員に渡す。


「毎度ありがとうございました。またいらして下さい」


さてどうするか。

まあまずは、この歩けないほど衰弱している王女様をお姫様抱っこして、家に戻るとしようか。














2月15日改稿

奴隷をネコ科から狐に変更いたしました。

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