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童話シリーズ

ようちえん

ようちえん


わたし、あやこ。2さいとちょっとになるの。

 おかあさんとか、おばあちゃんは「3さいになったらようちえんにいくんだよ」っていうの。


 ようちえんって、どんなところなんだろう?

 おかあさんも、おとうさんも、おじいちゃんも、おばあちゃんもそこにいないんだよね?なんだか、こわいな…


 「あやちゃん、ようちえんにあそびにいこうか」


 おかあさんがあそびにいこうっていうから、おかあさんといっしょにようちえんにいってみた。でも、おかあさんはおとなのひととずっとおはなししてたの。


ようちえんのなかで、わたしとおなじくらいのひとたちがおひるごはんをたべようとしていたの。ふつうなら、「いただきます」でおわるのに、みんななにかずっとながいことばをいってた。それから「いただきます」をしてごはんをたべてたの。


ごはんのまえになにしてたんだろう…?ようちえん、やっぱりよくわからないな…。


おかあさんは、わたしをこのようちえんにいれたいみたい。おうちにちかいから、おむかえにすぐいけるからだって。おばあちゃんと「礼儀作法もきちんとしてそうだし」っていってたけど、れい…?なんだろう。


わたしは6がつ12にちがたんじょうびなの。だから、それまではおかあさんとかおとうさんとかおじいちゃん、おばあちゃんといっしょだよね?



おしょうがつにおばあちゃんのいえにいったら、とうきょうっていうところにいるおじちゃんとおばちゃんがいたの。じつはおじちゃんもおばちゃんもかおをぜんぜんおぼえてなくて、こわかったから、おかあさんのそばからじっとみてた。

 でも、おかあさんが「クリスマスプレゼントをおくってくれたおにいちゃんとおねえちゃんだよ」っていったらすこしこわくなくなった。



おばちゃんがね、「あやちゃん、ようちえんいくの?」ってきいたから、わたしはわからなくてなにもへんじできなかったの。そしたらおばちゃんが、「あやちゃん、おばちゃんのはなしをちょっとだけきいてくれる?」っていったから、ちょっとねむかったけど「うん」ってうなずいた。


「おばちゃんはね、ようちえんにはいってないの。でもね、しょうがっこうにはいってそのようちえんのひととたくさんなかよくなって、ようちえんにもあそびにいったんだ。」

「おばちゃんね、しょうがっこうのときにおおけがして、ながくにゅういんしたの。そのときにそのようちえんのしんぷさんとしすたーがおみまいにきてくれて、『はやくよくなりますように』っておいのりしてくれたの。」

「だからね、あやちゃんがいくようちえんはやさしいひとがいるようちえんだよ。」


はなしのとちゅうからだんだんねむくなってきたけど、「あやちゃんのいくようちえんはやさしいひとがいるようちえんだよ」ってことばだけはきこえた。

 



あと1かげつで3さいのおたんじょうび。なまえもいえるようになったよ。

「すずき あやこです。」

おはなしをしてくれたおばちゃんはちょっとはやくプレゼントをくれたの。

『ようちえん』っていうほん。


 おばあちゃんがそれを見て、「おばちゃんはまいつきそれをほしがってたからね」っていってた。おばあちゃんは、こんかいだけじゃなくて、まいつきあたらしいのがプレゼントされるよ、っていってた。


おかあさんが、「あや、おばちゃんにありがとうのでんわしようね」っていうから、だいすきなおかあさんのでんわでおばちゃんにでんわした。


おかあさんは「定期講読にまでしなくていいのに」とかはなしてたけど、でんわをかわってもらったら、おばちゃんが「あやちゃん、きにいってくれた?」ってきかれたの。「うん、ありがとう」ってこたえたよ。



あしたからようちえんにいくんだ。あれからなんかいかようちえんにあそびにいって、ちょっとおともだちもできたよ。おかあさんのほうがどきどきしてるみたいだけど、あやはだいじょうぶだよ。


「あやちゃんのいくようちえんはやさしいひとのいるようちえんだよ。」


おやすみなさい。あしたははれるといいな。


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