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リーナとルシフェルの結婚式④

どうやら彼は合理的で感情の起伏があまりないらしい。逆に母は激しいようだ。ルシフェルは兄がこういう人達に育てられたことが少し哀れだった。

「………とりあえずは、認めてもらえたのかな」

「親父はともかく、母さんはどうかな。それに今の段階では、って言ってたな。将来的にはわかんねーぜ」

二人が気疲れしていると、ひょっこりチェイニーが現れた。

「よぉ、どうだった、お前の親は。天界でも珍しいカップルで有名なんだぜ。性格正反対だし。それでも意見が合うってんだからすげぇよな」

彼は一人うんうん頷いた。

「知ってたの!?じゃあやっぱりわざとこんな大々的にしたのね!?」

「言い出したのはお前の親だろ。まぁ、これでよっぽどの奴じゃない限り、なりを潜めるんじゃないかって思ったのは事実だけど。彼らは天使全体の寿命が縮まるなんて妙なこと懸念してるようだけど、それは天使だからそう思うだけさ。オレら人間からすれば、純血種の天使の寿命は長すぎるくらいだぜ。お前らも知ってるだろ?一番長生きしてる――つまり一番魔力の高い各長がどれくらい生きてるのか」

「…確か風の方は三百二十七歳って聞いてるけど」

「炎は三百五十九歳だったかな」

「人間は長生きしてもせいぜい百だ。そんなんで寿命がどうの、種族の保存がどうのって、聞いて呆れるぜ。こっちの調査では、混血児でも長けりゃ三百までは生きられるんだぜ。全く。そんな無駄なこと論議してる暇があるなら、もっとまともなことに時間を費やして欲しいね。たとえば次の長の総選挙とか。水の長がそろそろ寿命なんだ。なんせもう四百近いからね」

チェイニーは相手にしてられないとばかりに肩をすくめてみせた。

「それよりほら、そろそろ式始めようぜ。みんな待ちくたびれてるし」

「そうだね」

リーナは気を取り直して、にっこり笑ってみせた。

こういう時こそ、笑顔笑顔。

「では、僭越ながら私が神父役をやるとしよう」

ゴホン、と咳払いをしながらラファエルが歩み寄ってきた。

「まぁ、ステキ!!最高神であるラファエル様の前で愛を誓うのね!!」

リーナの母イリスが、感激のあまり狂喜乱舞した。

「あなた!うちのリーナちゃんが!うちのリーナちゃんが!こんなに嬉しいことはないわ!」

隣にいた父もすでに涙ぐんでいる。

「全くだ。いつの間にこんなに大きくなって…」

「あんなガキんちょにリーナをさらわれるなんて、それだけが心残りだが…」

更にその後ろで人目を気にしつつ号泣するのは…

「お、お兄ちゃん!?」

なんとレイだった。横にはエリアとシルヴィアもいる。

「二人共おめでとう〜。ミカエル様が、私達も招待してくださったの〜」

まさか会えるとは思っていなかったので、チェイニーの心遣いに感謝した。

「義姉さん…。ありがとう。みんな元気だった?」

「元気だったよ!ねぇ、リーナお姉ちゃん。そのドレス、とっても似合ってるよ!」

シルヴィアがウインクをする。

そんな女性達を横目に

「義兄さん…、オレは、前より強くなったし、成長しました。リーナのこと、心配しないで任せてください」

ルシフェルが少し照れくさそうに言う。

「そうよ、あなた。二人とも子どもじゃないんですから。次はシルヴィアの番よ。覚悟は出来てます?」

それを聞いて青い顔をするレイ。

「か…考えたこともなかった。シルヴィア、まさかもう既に男がいたりなんてことは…」

「もー、お父さん!今はリーナお姉ちゃんの結婚式なの!そんな話はあと、あと!」

「そうだぞ。よし、落ち着いたところで、始めるとするか」

ラファエルがクリスタルタワー広場の壇上へ進み出た。


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