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夜遅くに一つの影を伸ばしながら足早に帰路に着いている男がいた。

「疲れた〜帰ってさっさと風呂入りてー!」

かなり疲れているのに何故かまだ余力がありそうでない男「本棚 刀鬼」

仕事の帰りだというのにこうも余力があるのは若さゆえか本人もわからないようだ。

【だが今夜は帰路に着くこともこれから着くこともないのだが。】

目の前がなんだか明るく瞬きをして次の一歩を踏み出そとしたところ……

「うん?、ゔーん?何処ここ?」

なんとも間抜けな声で誰に言うでもなく口から出てしまった。

その場所はただ白かった。地面も空も白いのだが何故か何処が地面で何処が空かわかるなんとも奇妙な場所だった。

「あ、来たね。待ってたよー」

何処からともなく声が聞こえてきた。全方位から聞こえ近くて遠くて本当に聞こえているのかさえわからない。反響しているわけでもないのに何故か頭の中では反響していた。

刀鬼はゾッと!鳥肌が立ちここは危険だと戦闘なんてしたこともないのに感じ取った。後に刀鬼はこの出来事を人生最初の本能的な警鐘だと思った。

「あーごめんごめん、怖がらせる気はなかったけど僕の特性とこの場所の特性だとでも思ってよ」

そお聞こえたと思った次の瞬間刀鬼の前に少年とも少女ともわからない10代前半の子供が現れた。

「緊張というより恐怖してるねーいや〜良いことだよー恐怖は僕はもお恐怖する相手がいないから羨ましいよ〜」

刀鬼の心の中を見透かした様な言い方で喋っていく。

「何もわからないだろうけど今はそれで良いんだよ〜君がここに来ることはなかったけど僕が無理やりここに連れてきて無理やり【覚醒】させてある世界に行ってもらうだよー」そこまで言った途端、刀鬼の体が急に黒くなり始めた。

「【覚醒】させたすぐなのにこれほどかーやはり君はすごいね。」

そお言うやいなや刀鬼の意識は段々と底なし沼に引き摺り込まれる様に遠のいていく。そんな中最後に子供方から聞こえた気がした。

「早く僕を殺しに来てね……」


「⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎」

最後の方は聞こえなかった刀鬼。

刀鬼がいた場所は何もなかった子供がいた場所も。

ただそこは白いのに地面と空がわかる不思議な場所。

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