表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】もしも聖女を死なせたら ~聖女を殺した私の未来~  作者: カイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/80

76 帰り道

リスティア帝国との交渉も終わり、私たちはアクオス王国への帰路につく。

これで、北と東の領地の安全は保障されるはずだ。

そして、クリス様の、イシュタル家の悲願も成就される。

無駄な犠牲を出さないためとはいえ、本当にこれで良かったのかは私にはわからない。


揺れに身を任せていると、馬車が止まった。

不思議に思い、馬車の窓から外を見ると、まだ国境からは程遠い場所であった。

「アリス、王国に帰る前に君に話しておきたいことがある。休憩がてら、少し散歩でもしようか。」

出発の前にクリス様から言われていたこと。

覚悟はしていたつもりだが、もし、この結婚自体をなかったものにする話だったら・・・。

私は、黙って受け入れることができるのだろうか。


クリス様にエスコートされ、馬車を降りた私は、共に少し小高い丘に登る。

そこには大樹があり、ちょうどいい木陰を作っていて、帝国が一望できるくらいの、丘だった。

風がとても気持ちよくて、見晴らしのいい場所・・・遠くに大きなお城が見える。

そしてそのお城を中心に、城下町が広がっている。

街の造りは、アクオス王国とあまり変わりがない。


木陰に入り、街を眺めている私の正面に立ったクリス様が、両手を広げ、言った。

「おめでとう、アリス(あやめ)!!君は、自由だ!!」

「自由、とはどういうことですか?クリス様。」

「言葉通りだよ。君は、自分の力で女神のくびきから解放された!これで、君はどこへでも行ける。賭けは君の勝ちだ、頑張ったね、あやめ(アリス)。」


クリス様は、なにを仰って・・・女神様の呪いのことは、カミサマしか知らないはずなのに。

まさか、まさか・・・。

「それって・・・クリス様、あなたはもしかして、カミサマ・・・?」


「本当に困ったら僕を呼んでって言ったのに、ちっとも呼んでくれないんだもの。仕方がないから僕の方から近づいちゃったじゃないか。まったく、自分一人でどうにかしようとして、僕の加護をあんな風に使うなんて、褒められた行為じゃないよ?」

「クリス様、それは、どういうことなのですか。あなた様は一体・・・」


「さあ、今ならまだ間に合う。君が願えば、本当の『あやめ』に戻れるよ。」

そんなことを突然言われても、「ハイ、ソウデスカ」なんて思えるはずがない。

クリス様は、私が『あやめ』だと知っていてたということ?

知っていて、ずっと黙っていてくれたの?

それに・・・私が消えたら、この体はどうなってしまうの?

本来のアイリスが戻って来るの?


「クリス様、いえ、カミサマ。どういうことか説明していただけますか。」

「そうだね・・・僕の力が消えるまで、もう少し時間はあるから、少しだけ昔話をしようか。」


クリス様が、遠くを見ながら、ぽつりぽつりと語り始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ