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短編2

所詮、幼馴染

作者: 猫宮蒼

 作中に出てきた作品タイトルがもし実際にあったとしても、そちらとは一切の関係がない事を述べておきます。



 前世の記憶を思い出したのは、自分の婚約が決まったまさにその日だった。

 うっそ俺……異世界転生してる……!?

 思わずそう口に出したくなったけど、誰もいない場ならまだしもここでそんな事を言おうものなら頭がおかしくなったと思われかねない。なので咄嗟に手で口を覆った。


 動揺を隠しきれなかったけれど、しかしそれは良縁である事に驚きを隠せない……という風に見られたようだった。何せ自分は家の跡取りではなく婿入りする立場だ。

 相手が見つからなければ最悪騎士とか文官あたりで身を立てる方向性でいくしかなかったしがない三男坊にとってこの婚約はまさしく運が良いとしか言いようがない。


 ところでここ、この世界を俺はほんのりと知っていた。


 前世で妹が読んでいた漫画。

 絵が好みだからと買ったらしき漫画で内容としてはまぁ、よくあると言ってしまえばそれまで。


 ヒロイン目線で見るならば、病弱な幼馴染を優先する婚約者に愛想を尽かしてあんな男いらないわ、と婚約者を捨てて新たな人生を見直す話。

 そんなヒロインの婚約者目線で見るなら、病弱な幼馴染を優先しすぎて婚約者に愛想を尽かされ捨てられ、人生を棒に振る話。


 婚約者が嫌な女で幼馴染と結ばれたいと思っているのであれば男にとっては万々歳だったかもしれないが、別にそうでもなかった。


 そんな、最終的に落ちぶれる事になる婚約者の男。

 そんな男に俺は生まれ変わっていたのである……!


 その事実に気付いてしまった以上、生憎とそんな未来を歩むつもりもない。

 顔合わせをした婚約者であるメアリはとても可愛らしく、少し話をしただけでも中々に博識で会話が思っていた以上に弾んだのもあってこの婚約をなかったことにされるなんてとんでもない事だ。


 対する幼馴染のリーシアは、幼い頃からほとんどをベッドの上で過ごしていたのもあって、話の内容はそこまで広がらない。リーシアは本を読むことが好きだけど、しかし彼女の薬代などがかさみ、そのせいで男爵家は決して裕福とは言えなかった。だからこそ、次から次に新しい本を読むという事もできないため、そこまで新しい話題がない。

 こちらから新しい話題を持ち掛けても、それも過ぎれば嫌味に受け取られかねないせいで、既に何度か同じ内容の話をしているくらいだ。

 正直に言うと、とてもつまらない。

 リーシアが悪いわけではないけれど、それでもやはり何度も同じ話を繰り返す事になると退屈だと思うのは仕方がない事だった。


 同じ話でも、前回と少し目線が異なる内容だとか、ちょっとした変化があればいいがそういうのもないのだ。

 読んだ本の感想も、好きな部分を語られても俺はあまりその本に興味がないから掘り下げて聞く事も難しい。

 無理に話題を、と思ったところでそういうのは大抵空回りする。無理に話に付き合わせているというのがあからさまになれば、リーシアは自分がベッドからほとんど出られないせいで話題を提供できない事に申し訳なく思い、それを見たこちらも気を遣う結果となる。

 負のスパイラルだ。

 会話を広げられないのも気まずい空気が流れる事もあるけれど、空回って空気をしらけさせるよりはマシだった。


 もう少し小さかった頃はリーシアもそれなりに元気だったんだけどな。

 元気だったころの記憶があるから、外の世界に憧れてる。そんな幼馴染を見捨てるのも忍びない……と漫画の中の俺は彼女に寄り添おうとしていたんだったか……



 でもそれで自分の人生お釈迦にするのもどうかと思うんだよな。



 メアリとリーシア。

 俺がどちらを取るかと聞かれれば勿論メアリだ。

 婚約が決まった事もそうだけど、一緒にいて息がしやすい。リーシアに対してあれこれ気を遣う事に、疲れてしまったといえば否定はしない。メアリに対して気遣いをしないのか、と言えばそうではない。ただ、リーシアに対する気遣いの仕方とメアリに対する気遣いとでは、メアリの方が自然にできるだけの話だ。



 我が家は子爵家、リーシアの家は男爵家。

 身分的には近しいから、漫画ではそりゃ最終的に俺がリーシアと結ばれては? なんて言われるような事になっても当然と言えば当然の流れではあったけれど。

 リーシアが病弱である故に、これでは子を産む事も難しいとされて男爵家は親戚からリーシアより三つ年下の従弟を後継者として迎え入れる事が既に決まっている。

 そこにメアリから婚約破棄を告げられて捨てられた俺がやってきたところで、あっちだって困るだろう。俺が男爵の立場であれば困る。


 それになぁ……ちょっと落ち着いて考えてみたけど、思えばリーシア、別に俺の事を好きで、とかではないと思うんだよな。

 リーシアが好きなのは俺の下の兄――次男であるフラッドなんだと思う。

 思えばリーシアの口から出た名前も上の兄であるアンソンよりフラッドの方が多いし、俺に対しても外のお話を聞かせてと言いながらその実遠回しにフラッドの事を聞いているような気がした。


 ……年齢的には俺とリーシアの方が近いから、だから俺がよくリーシアのところに足を運ぶ形となってしまったけれど、でも明らかにリーシアが好きなのはフラッドでは……?

 そう考えると、漫画の中の俺はとんだ道化ではなかろうか。

 病弱な幼馴染の世話を焼いて、婚約者から愛想を尽かされて、漫画ではその後の事は描かれてなかったがもし俺とリーシアがくっついたとして。

 リーシアが本当に好きなのがフラッドであるのなら、俺なんてそのオマケくらいな認識だろう。

 そんなのと結婚しても、フラッドは当然その時には結婚して他の女が妻になっているし、リーシアにとっての旨味は何もない。


 大体俺だってメアリの家に婿入りする以上、しかもメアリの家は伯爵家だ。

 その家に相応しい態度や知識が必要となるわけで、そのために学ぶ事は沢山あるのに。

 正直子供の頃にちょろっと遊んだような気がする程度の幼馴染に構っている余裕なんてなかった。


 漫画の中の俺は、幼馴染を口実にもしかして教育サボろうとしていたのでは……?

 そんな風に思って仕方ないというか、まぁそういう疑いが生じるのは当然だよなというか。



 ともあれ、折角素敵な嫁さんと結婚できるかもしれないところを、棒に振るつもりはない。

 だからこそ俺は、リーシアの家に様子を見に行った時に婚約者ができた事を伝えたのだ。

 これからは、ここに来る事もないと思うという意味を込めて。




 ところが、その後からやたらと我が家にリーシアからの連絡が届けられるようになった。

 領地は違えどお互いの屋敷は近い。ちょっと馬を飛ばせば三十分もしないで行き来できる距離なので、そういう意味ではご近所さんだ。

 だからこそ幼い頃の俺たちも気軽に会って遊んでいたわけだが。


 今までは時々しかリーシアからのヘルプコールは来なかった。

 両親が彼女の薬代を捻出するためあちこち出かけていて、使用人もそう多くないため手が回り切らない時。なるべくそうならないようにしていても、どうしたってそういう事が起きないわけじゃない。

 だからそういう時に、リーシアは助けを求めるようにうちへ連絡をしていた。

 あわよくば、フラッドが来てくれるかもしれないと期待していたかもしれない。最初の頃はそうだったと思う。

 でも来るのが俺だけだという事で、リーシアからのヘルプコールは少しずつ少なくなっていって、どうしようもなく寂しくなって話し相手が欲しくなった時とかに連絡が来るようになっていった。


 そう考えると、俺に婚約者ができて会う事が難しくなる、という事でまた寂しさがぶり返したのかもしれないが、そこで俺がリーシアに付きっ切りになる義務はないわけで。

 また本の感想を語り合いたいとか、そういう事が書かれた手紙も届けられたが語り合ったかなぁ……?

 リーシアが一方的に語ってたのを黙って聞いてた覚えしかないんだけど。俺とリーシアの中での語り合うの定義が異なってる可能性はとても高い。


 本命じゃなくても、自分の手の届く範囲にいたであろう相手がいなくなることで途端惜しくなった、とかそういうアレかもしれないと思いながらも、俺はその日リーシアの元へ行くことはせず、メアリの元へ向かった。



 幼馴染を見捨てた、という噂をされても困るので、俺は早々にメアリに相談する事にした。

 病弱な幼馴染がいる事実。今まで時々様子を見に行ったりしていたが、婚約者ができた事でこれからは会う事もなくなると告げた事。

 だというのに、向こうからやたらと連絡が来るようになった事。


 仮にも幼馴染であるので見捨てるのは忍びないけれど、だからといってメアリを蔑ろにしてまであちらを取るつもりもない事。


 リーシアの両親は彼女の薬代をどうにかするのがやっとで、その薬だってそもそも症状を抑えるだけで快復させるわけではないものである事も。

 医者に診せるにしても、名医であると評判の医者は上の身分の貴族たちによって引っ張りだこだ。

 それもあってリーシアは現状維持をし続けるしかないのだ。彼女を診てくれる医者には彼女を治す手立てがないため。



「それでその、厚かましいとは思うのだが、彼女をもっとちゃんとした医者に診てもらいたい。

 そちらの家の伝手を使わせてもらえないだろうか。

 勿論タダでとは言わない。

 俺にできる事はなんだってしよう。もっとも、俺にそこまでの価値があるかはわからないが……」


 正直自分に何ができるかはさっぱりわからない。

 とりあえず前世の知識でもってメアリの家の領地の名産品になりそうな物とか提案できればいいけれど、そうじゃなかったら後はもう自分がコツコツ働くしかないわけで。


「……その、ルーク様は幼馴染の……リーシアさん、でしたか。その方を想っていらっしゃるの?」

「いや。ただの幼馴染でそれ以上でも以下でもない。ただ、幼い頃に病に倒れ友人がろくにいない事もあるのと、家が近所だからというのもあって時々様子を見に行くように言われて付き合いが続いていただけだ。

 別段話が盛り上がる事もなければ、いつまでも一緒にいたいというわけでもない。ただ、病人を見捨てるような事になれば周囲が色々と口さがない事を言うだろう?

 言うなればこれは、自己保身だ」


 正直に告げれば、メアリは探るような表情をしていたのに一転してきょとんとした表情になった。

 まるで予想外の事態に戸惑う猫みたいな顔だった。


「友人らしい友人がいないから、俺が遠ざかる事で一人になると思っているのだろう。

 だが、あくまでも俺とリーシアの関係は幼馴染というだけで、仮にこの婚約がなかったとしても俺と彼女が結ばれるという事はないと思っている」


 大体、うちもそこまで裕福な家じゃないが、それでもリーシアの家よりはマシだ。

 リーシアは自分で自分の事を中々上手くできないが、それは病弱であるが故である。

 だが俺は、病弱ではないが身の回りの事はそれなりに使用人たちがやってくれていた。


 そんな俺が、わざわざリーシアの小間使いみたいに彼女の世話をし続けろなんて言われても、正直困る。

 そういう仕事だというのならまだしも、別に彼女の面倒を見たからとてお小遣いがもらえたりしたわけでもないし、俺が彼女を愛しているからこそ献身的に世話をしているというわけでもない。

 単純にリーシアの事を憐れんだ親が時々様子を見に行ってあげて、とか言うものだから。最初はそれこそ上の兄二人も顔を見せに行っていたけど、でも少し年の差がある男女だ。

 興味を持つものだって異なるし、一足先に外の世界に出て学校へ行くようになった兄たちからすれば、そちらの方が新しく、また面白かったのだろう。友人たちとの付き合いに熱中してリーシアのところへなんてほとんど行かなくなってしまった。


 それもあって年の近い俺がその分リーシアのところへ行かされる事が増えたとも言う。


 学校には既に自分も通うようになっているので、以前よりリーシアのところへ足を運ぶ事も減っていった。新たな人間関係を築く事ができる自分と、ロクに外に出る事ができないため新たな関係を作る事ができないリーシア。


 確かに、可哀そうだな、とか思う気持ちはある。

 好きで病気になったわけじゃないだろうし、そのせいで自由を奪われたようなものなのだから、今ある繋がりに縋りたい気持ちも理解できなくはない。

 けれど、それで自分の人生を破滅させるつもりもなかった。


 自分はそれほど賢いとは思えないが、と前置いて前世の知識の中から使えそうな情報をいくつか提案してみせれば、メアリは瞳を瞬いて、それが成功すれば我が領地は更に潤いますわね、と彼女自身も頭の中で算盤を弾いたのだろう。

「わかりました、我が家の方から良い医者を手配しましょう」

「助かる」


 将来女伯爵となるメアリを支えるために、使える知識はなんでも使う。

 メアリ自身も賢いが故に、自分の乏しい提案から更に使える案にしていくだろう。




 ――メアリ・ランガルティアには前世の記憶がある。

 幼馴染を優先する婚約者なんてもう知りません! こちらはこちらで勝手に幸せになりますので! というライトノベルとほとんど同じ世界に転生したと気付いた時、まさかの自分がヒロインという事実にどうしたものかなと悩んだ。


 内容はタイトルそのままである。

 婚約者は病弱な幼馴染を優先してメアリを放置し、ロクな交流をするでもなくデートだってドタキャンは当たり前だし挙句その埋め合わせすらマトモにできないとなって、とうとう我慢の限界を迎えたメアリが婚約者に引導を渡して幸せになるありがちなストーリーだ。


 幼馴染が病弱であるが故に、そちらを優先した時、こっちを優先しろと言いにくい状況だというのは否定できない。だが、そのせいで肝心の交流などほとんどできないまま結婚しろとなっても、メアリだって困るわけで。


 相手が病弱なら仮に二人が実は相思相愛だとしても、子を作るまではしないと思うがしかしそれでも、妻になっても病弱な幼馴染を優先し続ければ正直夫としてこの人いります? となるのはいずれたどり着く道なわけで。


 メアリが嫁ぐ立場であったならそういうものと割り切ったかもしれないが、メアリは嫁ぐのではない。婿を迎え自らが跡取りとなる立場だ。それなのに最初から夫になるには不足ばかりの男を婿にするなんて、正直時間の無駄でしかないし、余計なストレスでしかない。


 話のラストではメアリもメアリで新たな恋のお相手になりそうな人物とほんのりいい雰囲気になっていたので、いずれそちらとくっつくんだろうなぁ、と思わせて終わっていたが、しかしこうして転生した前世の記憶を持つメアリは。


 どっちにしても面倒くさいわ。


 それが、偽らざる感想だった。


 最後の方でポッと出てきてくっつくだろう事を匂わせてくるキャラの事を、転生したメアリは正直そこまで好きでもなかった。単純に見た目が。あと中身も悪い人ではないのかもしれないけれど、出番が少なすぎて為人ひととなりがいまいち不明瞭な部分があるのもいただけない。

 お話の中では素敵な理解者となるかもしれない相手でも、ここがお話の通りに一切の間違いなく進むか、となるとそうはならないだろう。現にこうしてメアリには転生者としての記憶と自覚がある。ライトノベルのメアリにはなかったものだ。


 であれば、お話の中のように親が決めた婚約者であるルークを捨てた後、彼と結ばれたとして。

 その後の話なんてなかったのだから、幸せになれそうな雰囲気だけはあっても本当に幸せになれるかはわからない。

 それ言っちゃうと人生なんて全部そうだろってなるが、一見幸せになれそうな光明ちらつかせた上で不幸になりました、ではヒロイン的に踏んだり蹴ったり。

 それならいっそ開き直って独身貫く方がマシに思えてくる始末。


 お話の中では捨てる事になる婚約者、ルーク・リュネーシュがもしお話の通りに婚約者となったメアリを蔑ろにして幼馴染優先するようなら、それこそさっさとお別れして跡取りはどこかから引き取る事にしてお一人様生活を満喫してやろう、くらいに考えていた。


 ところがいざふたを開けてみれば、ルークが幼馴染を想っているわけではないようだし、むしろ執着しているのは幼馴染の方で。


 確かに、幼い頃の人間関係というのはちっぽけなものだ。

 成長して繋がりが広がると余計にそう思えてくる。

 だが、その広がる前の段階で幼馴染――リーシアの世界は閉じたまま。新たな人間関係を作ろうにも、マトモに外を出歩ける元気もなく家にこもるしかないとなれば、確かに幼い頃からの付き合いが続いている幼馴染に縋るしかない、というのはメアリにも理解はできた。


 リーシアの両親は娘のための薬を用立ててはいるようだが、それで精一杯らしく根本的な解決には至っていない。症状を改善させるにも、まずはちゃんとした医者にしっかり診てもらう必要があるけれど、しかしリーシアの家ではその伝手もないのだろう。

 その家の寄親になっている家はどこだったかしら……とメアリは数秒考えて、そうして思い出す。

 あ、ちょっと難しいわね。

 そして早々にそんな結論が出た。


 寄親の家は、多くの医者と繋がりのある侯爵家と折り合いが悪い。勿論、何かあった時に診てもらえないわけではないが、しかし何となく頼りづらい雰囲気とか圧があるのは否めなかった。

 なのでリーシアの親も、寄親である家に頼ろうにも頼りにくいのであろう。

 頼ったからといって医者を手配されたところで、そこにかかる費用まで寄親は出してくれるわけではない。


 リーシアという少女がそれこそ絶世の美女だとか、他に何やらずば抜けた才能を持っているだとか、そういう価値があるのなら寄親も利用価値を見出した上で手を差し伸べたかもしれないが、そうではないというのなら、つまりはそういう事なのだ。


 相手は病人なので、突き放すわけにもいかない。距離を取るにしても、やり方を間違えるとルークが悪者にされてしまいかねない。

 だが、そうして幼馴染を優先したところで、そうなれば行きつく先はメアリからの婚約破棄。

 婿入りできたはずの家を失って、ルークは家族からもどうして婚約者を大事にしなかったと責められるのだ。

 ……だが、全部が全部ルークが悪いというわけでもないとメアリは思っている。


 年が近いからこそルークは親や兄たちからリーシアを押し付けられた、とも考えられるのだから。


 これでルークもリーシアの事を想っているのなら、本人が好きでやってることとメアリも割り切れる。

 だがいざ話を聞いてみれば、全然そんな事はなかった。


 折角の縁。

 メアリは少し話しただけでもルークの事を好ましいと感じていた。

 前世のライトノベルの内容を思い出すとどうしてもこの縁談最初の時点でなかったことにしとくべきでは……? と思うのだが、しかしこうして直接話してみると案外とっつきやすいのである。


 幼馴染にべったりじゃなきゃなぁ……とメアリだって内心思ったくらいだ。


 最後の方で登場するポッと出の結ばれるかもしれないキャラよりも、ビジュアルで言うのならルークの方が好みではあるので。中身がアレじゃなきゃなぁ、とそりゃもう思うわけで。



 そんなルークは、せめて彼女にちゃんとした医者を手配したいのだとメアリに頼み込んだ。

 大体、医者でもないただの幼馴染が毎回世話をするよりも、ちゃんとした医者にかかって、適切な治療をした方が幼馴染のためでもある。

 聞けばリーシアの症状は治らないものではない。

 ただ、その治すための薬が今の男爵家では手が届かない超高級品なだけで。

 それを手にするために資金を集めるにしても、その間にリーシアの症状が悪化しては意味がない。

 けれど、今の男爵家ではこれ以上の悪化を防ぐための薬を用立てるので精いっぱい。そこから更に治すための薬を買う資金集めの余裕はないようだった。


 幼馴染であるルークがリーシアのところへ行けば、一時的に友との会話などで気がまぎれたりはするだろう。だが根本的な解決にはならないし、挙句の果てに原作のように婚約が破棄されてしまえば、ルークの行き場などなくなってしまう。

 リーシアの家には既に跡取りとして引き取られた従弟がいる以上、ルークがリーシアと結婚するにしても男爵家にずっと居られても困るだろう。


 挙句そこに婚約破棄された令息が転がり込むとなれば、男爵家にとって何の利もない。いや、ルークが婚約破棄される原因を作ったも同然なのだから無関係ではないため無視するわけにもいかない。

 最悪ルークの家とリーシアの家とで責任を擦り付け合って泥沼の諍いが発生しそうだった。原作ではそんな描写なかったけれど、でも多分裏側ではあったんじゃないかなぁ、とメアリは思うのだ。


 ただ、原作のルークを思えば確かに彼は婚約者を放置して幼馴染に付きっ切りだったけれど。

 でもそれって、ルークの家族やリーシアたちにも原因はあったよな、と思わなくもないのだ。

 だからって婚約者放置はダメでしょ、となるのは当然だが。


 ルークには上に二人兄がいて、その兄たちも幼馴染として一時期リーシアと遊んだりもしていたようだけど、だが幼い頃の年齢差は結構な大きさである。大人になってからの年齢差はそれほど気にならないけれど、幼い頃の年齢差は一つ違うだけで随分と違うように思えるものだ。


 それもあって、早々に兄二人がベッドの上の住人と化したリーシアと一緒にいても退屈だなと思って足が遠ざかったとしても、それを叱るのは酷というものだろう。

 だが、その結果ルークにすべてがのしかかったようなもので。


 原作ではそこまで細かく描写されてなかったけど、でもそういうバックボーンはあったはずよね……とメアリは思っている。


 なのでルークの申し出は、そういう意味では悪いものではなかった。


 タダで医者を紹介しろというわけでもない。

 自分にできる事は少ないが……とできる事は何でもやる気概を見せたのもメアリにとっては高評価である。


 それどころか、メアリは自分の領地にある物をいくつか前世の知識で名産品に仕立て上げられないものかと思っていたが、しかし前世で専門家でもなかったため知識がとても中途半端だったせいで製品化にこぎつけるにはほど遠い物も数多くあった。

 しかしルークが口にした案は、メアリの足りない部分を補うようなもので。


 えっ、私の婚約者思った以上に有能……!? と戦慄さえしたくらいだ。


 一瞬彼ももしかして転生者か、と思ったがこれが偶然のものであったならメアリの頭がおかしくなったと思われかねないので、メアリはその確認はしなかった。決定的な何かがあるまでは静観の構え。



 ともあれ、見た目も中身も好みのタイプであるルークを、幼馴染とべったりではなくこちらと向き合うつもりであるルークを捨てるなんてとんでもない。

 メアリはルークの案で製品化が叶いそうな品をいくつか思い浮かべて、そうして出るであろう儲けに今から楽しみで仕方ないくらいだった。

 前世でも今世でも、メアリはお金が大好きなので。


 最悪原作のような展開になった場合、メアリはいっそ商人としてやっていこうかと考えていたくらいだ。

 ポッと出の男とか知らん。私はお一人様を満喫するぞ!

 そんな気持ちでもあったけれど、しかしそうなる事はなさそうだった。


 ルークが自らの懐から幼馴染のリーシアのために医者を手配した、となれば、それはもう充分幼馴染としての義務も果たしたと言える。

 そもそもそれはリーシアの親が本来ならばする事なのだから。


 これで、ルークがリーシアの元へ駆けつけたりしなくたって、幼馴染を見捨てたとは言えないだろう。

 リーシアにはリーシアの、ルークにはルークの人生があるのだから。



 私の知る原作とは異なる展開になってしまったし、やっぱりここって似た世界であって全く同じってわけでもないのね。まぁ異世界だもの。あのお話と同じ未来がある世界もあるかもしれないし、むしろあれはこの世界の並行世界的なものなのかもしれないわ。


 ルークとの関係が良好なまま、それどころか更に仲睦まじくなっていくのもあって、メアリは最終的にそう結論づけたのであった。




 ――リーシア・ノルミスが前世の記憶を思い出したのは、幼馴染に婚約者ができたと聞かされたまさにその瞬間であった。


 前世の記憶を思い出す前までは、リーシアはルークの兄であるフラッドに淡い恋を抱いていた。

 そうでなくとも幼い頃は一つ二つ年上というだけでとても大人に見えていたし、フラッドの兄のアンソンよりはフラッドの方がリーシアによく話しかけてくれていたのもあったから。

 リーシアにとってフラッドは憧れの王子様みたいな存在だったのである。


 ところが、やはりそれなりの年齢になると年下の、目新しい話題も何もない妹みたいな存在などフラッドにとっても退屈になったのだろう。学校の勉強もあるのだ。それを口実にアンソンもフラッドも、リーシアのところへ足を運んでくれる事はぐっと減った。

 幼い頃、まだ男女の性差などこれっぽっちも気にしていなかった頃に遊びまわっていた相手は、家が近所のリュネーシュ子爵令息たちだ。

 それ以外の友達を作ろうにも、家が近所の、同年代の貴族の子というのはそうそういるものではない。

 王都で暮らす貴族ならそれなりに知り合いを通じて更に知り合いを増やす事もできたかもしれないが、リーシアたちが暮らしていたのは領地の自宅である。


 平民の子なら、リーシアと同年代の子はそれなりにいたけれど、しかしそういった子たちは遊んでばかりというわけでもない。家の手伝いをしないといけないので、リーシアがまだ元気な時にそういった子たちに声をかけようとしても、中々上手くいかなかったのである。


 そうこうしているうちにリーシアは病に倒れ、すっかりと弱ってしまった。

 そのせいで友達と呼べるのはリーシアにとっては三人だけ。しかもそのうちの二人は学校に行く年齢になってからは、めっきりと姿を見せてもくれなくなった。

 リーシアはベッドの住人と化してしまったのもあって、学校に行きたくとも行けなかった。かわりに、家庭教師に最低限の教育をしてもらいはしたけれど、しかしこの状況ではそれがどこまで役立つかもわからなかった。


 親に言われたからなのか、それとも兄に言われたのかはわからないが、その頃にはルークだけがリーシアにとっての外との繋がりだったのである。


 リーシアとて自分なりに話題を作ろうとしたけれど、しかし一日中部屋にいて寝ている事の方が多い状況では、これといった話題もない。一緒にいてもつまらないんじゃないかなぁ、と思った事は何度だってあったけれど、だからって帰っていいよとは言えなかった。


 そう言った事で、もう二度と来てくれなくなったら困る。

 リーシアにとってルークは最後の友人だった。恐らく自分の意思で来ているわけではないなと薄々理解してはいたけれど、それでも訪れてくれるし、たまに体調が悪くなって一人が心細い時、使用人に頼んでルークへ連絡を入れれば、彼は見舞いに来てくれた。

 一人が心細いと言えば、それなりに付き合ってくれた。


 前世の記憶を思い出す前までのリーシアにとってルークは好きな相手の弟だったが、しかし前世の記憶を思い出したリーシアにとっては、彼こそが自分の運命だと思ってしまったくらいだ。


 ここまで献身的に付き合ってくれるのだもの。

 きっと、私が願えば一緒にいてくれる。


 確かにフラッドはイケメンだった。思い返せばその兄のアンソンもそうだったし、ルークだってそう。

 ただ若干方向性が異なっていた。父親似か母親似の違いだと思う。

 前世の記憶を思い出した今となっては、リーシアの好みはフラッドではなくルークなのだ。

 ここまで自分に付き従ってくれるのなら、もしかしたら……


 そんな風に思ってしまったのは、仕方のない事だったのかもしれない。


 リーシアは前世の記憶が蘇ったからといっても、それだけだった。

 えーっ、ここって〇〇の世界じゃないの! とか思うような事もなかったのだ。


 ただ、病弱なヒロインと、それに献身的に寄り添ってくれるイケメン幼馴染、というのは何かの作品にありそうではあるわよね……と若干それっぽい感じに当てはめたりはしたけれど。


 これでルークが最初からもっとそっけなく、ここに来るのも義務ですと言わんばかりであったのなら、リーシアはそういう風に勘違いをする事もなかった。

 けれどもそれなりに親身に接してくれていたから、リーシアはすっかり舞い上がってしまったのだ。


 嫌いな相手にわざわざこんな風に接したり、しないよね……? なんて考えて。


 ルークの内心を知ればリーシアは泣いても許されるが、しかし知らないままだったので。


 婚約者ができた、と聞かされた時でもまだチャンスはあると思ってしまった。



 同年代の令嬢と比べて教育が遅れていたのは、リーシアがベッドの住人と化してしまったからだ。両親は薬を用意してくれるけれど、悪化はしないが良くもならないこの現状、教育だって詰め込むにしても、ただでさえ病弱な相手に無理をさせられるはずもなく。

 そのせいで、前世の感覚がやや強めに表に出ていたのもあって、リーシアはまだチャンスがあると信じてしまう事になってしまったわけだ。


 その幻想は早々に打ち砕かれてしまったけれど。



 ルークの婚約者であるメアリの家の伝手でもって、高名な医者がリーシアのところへやってきた。

 そうして診察を受けて、リーシアの両親には到底手が出せないお高いお薬を処方してもらって。

 何度かそれを繰り返した結果、リーシアは長年のあの苦労はなんだったのかというくらいに完治してしまった。


 苦しい思いをし続けなくて良かったとはいえ、てっきり自分はそこまで長くはない、と思っていたリーシアにとって突然開けた未来は、まさしく未知そのものだ。

 ルークが婚約者に頼んでくれなければ、リーシアは今でもベッドの住人のままだった。

 前世の事を思い出してしまった以上、そりゃあ病弱でいるよりは健康でいた方がいいに決まっているとリーシアだってわかってはいるけれど。


 同時に、目の前に現実が突き付けられてしまったのだ。


 マトモに動き回れなかったのが動けるようになった以上、リーシアもまた貴族令嬢としての教育をきちんと受けなければならない。

 今までは病弱で、元気に動き回れるわけではなかったからこそ、従弟が家を継いだ後でも看病を任せるくらいの話がついていたようだけど。

 しかし元気になった以上、何もしないで家に置いておくわけにもいかない。

 かといって、元気になったからといってもリーシアにこの家の跡取りとしてやっていけるか、となると同年代の令嬢よりも教育が遅れている以上難しい話だった。既に跡取りとしての教育は従弟が学んでいるのだ。

 であれば、リーシアにはどこぞへ嫁に行く必要が出てくる。


 その前に教育をきちんと終わらせないといけないのだが。

 学校へ通わせるにしても、同年代の令嬢と同じ学年というわけにもいかなかった。

 病気で入学が遅れるというのは別に珍しい話ではない。それもあってリーシアは自分より年下の令嬢たちと同じ学年で学ぶ事となってしまった。


 前世の記憶のせいで、それがなんとなく恥ずかしい事のように思えて、最初は中々馴染めなかった。

 そうでなくとも、風の噂ではルークはメアリと結婚して領地を盛り立てているという話だ。

 折角元気になったのに、しかしリーシアがルークと結ばれる未来はもうないのだ、と知って早々に失恋して同学年の少女たちに心配されたりもしたけれど。


 リーシアはそこでようやく、自分の現状に危うさを感じ取ったのである。


 自分の年齢と釣り合う素敵な男性にはとっくに婚約者がいて、教育が遅れている自分が結婚しようとなれば、それなりの相手しかいないという事実。

 ついでに自分より年下の同級生の少女たちには婚約者がいて、実に仲睦まじい様子。

 惚気話を聞く事もあってリーシアは時々焦りと嫉妬に胸が押しつぶされそうにもなったけれど、その頃にはようやくこちらの世界の常識なども理解できるようになってきたので、同級生でもある少女たちと同じ年代の令息たちからすると、リーシアは年齢的にも『無い』判定である模様。

 まぁ跡継ぎとして子供産まないといけないわけだから、今まで病弱だった挙句自分より年上の女性を選ぶとか、選べる立場にあるならそもそも選ばない。それでも選ぶとなれば、リーシアの事を心から愛してくれているか、そうでなければ何らかの厄介な事情持ちだ。


 婚活に惨敗し続けた前世の記憶が蘇る。


 内心の焦りを隠しながらも、リーシアは己の未来を模索し続けた。

 学校に通っている間はまだしも、卒業した後も嫁ぎ先がないまま実家にいるとなると、家の外聞も悪くなりかねない。

 今までなんだかんだ世話になっていたのもあるので迷惑をかけたいわけではないが、しかしこのままでは穀潰しである。


 前世のお母さんの「あんたまだ働き先みつからないの?」という言葉が脳裏をよぎる。

 好きでニートしてるわけじゃないんです面接の段階で落とされるんです。

 そんな風に脳内で言い訳をしたところで、現状が解決されるわけでもない。


 どうしたものかと悩みに悩んで困り果てた結果、自分の現状を客観的に把握できている近しい他人――つまりは、従弟に相談する事にしたのである。

 年下の少年に答えを求めるのもおかしな話だと思いながら、それでもリーシアには他に頼れる相手がいなかったので。

 同じ家に住んでいて、それでいてリーシアと家族のような近しさもなく、けれど親しみがないわけではない。

 そんな従弟は大きな目をぱちくりと瞬かせて、言った。


 貴族に向いていないので、どうせならそこそこ裕福な平民の商人のところに嫁げばどうですか? と。


 リーシアの家が男爵家ではなくせめてもう少し身分の高い家柄であったなら、まだリーシアも他家で貰いたいという相手がいたかもしれない。

 けれども男爵家。しかも少し前までリーシアの薬代を捻出するのに駆け回っていたようなところだ。資産が潤沢にあるわけでもなく、借金まではしていないだけの貴族の家の娘、それも病気のせいとはいえ教育も同年代と比べると進んでいない、未だ令嬢である行き遅れである。

 そんなのを嫁にしたいというような家など、普通に考えて怪しい以外のなにものでもない。


 リーシアの容姿がずば抜けているのであれば、その美貌に魅入られて……という事もあり得るが、しかしリーシアの容姿は確かに悪くはないが、群を抜いてというわけでもない。


 貴族としてのスタートラインが他と比べて大幅に遅れている時点で不利。

 下手をすれば、どこぞの好事家に目をつけられて愛人に、なんて可能性の方が余程高い。


 それならいっそ、貴族としての立ち居振る舞いをあまり必要としない家に嫁いだ方がまだリーシアにとっても気楽だろう、というのが従弟の言い分だった。

 商人なら、一応貴族との繋がりという利があるし、実際そういった縁を求めて貴族の娘との縁談を望むところはそれなりにある。

 下手な相手を選びさえしなければ、生活に困る事もない。


「ちなみにお勧めの相手はこのあたりですね」


 そう言って従弟は、まるでこの状況を見越していたかのようにリーシアの結婚相手になりそうな相手の情報を集め、そして纏めていた。仕事が早い。

 リーシアに将来家を継がせるのが無理と判断して引き取られただけの事はある。



 結局のところ、リーシアは学校を卒業したところでその先、自立する事も他の貴族の家へ嫁ぐのも難しいと判断して、従弟の勧める相手の中から相手を選んだ。

 今の今まで関わった事なんてほとんどない相手だ。

 ただ、従弟の人を見る目はそれなりに良かったようで、リーシアは嫁ぎ先でなんとか三人ほど子供を産む事ができた。


 それなりに幸せになれている、と思う。


 ただ、従弟に相談するという選択をしなかった場合、きっとリーシアはまだルークに助けを求めようとしたかもしれない。とっくに結婚した相手だ。いくら幼馴染だからと言っても、そう気軽に会えるはずもないのに。

 そうでなくとも、ルークはリーシアのために医者を手配してくれて、そうしてリーシアは快方した。それ以上を望むのは間違いなく過ぎたものだった。


 リーシアもまた結婚して夫がいる身となった以上、そして平民となってしまった事で、ルークもその妻であるメアリとも、住む場所からして違うのだから会う事もない。


 かつて、家族ぐるみでの付き合いがあったと言っても。

 どれだけ好きだったとしても。


 リーシアにとってのルークがどれだけ特別であったとしても。


 結局のところ、どこまでいっても幼馴染でしかなかった。

 もしかしたらメアリとくっつく予定だったポッと出のキャラも転生者だったかもしれないし、従弟も転生者かもしれない。でも仮にそうだとしても多分各々勝手に幸せになってるんじゃないでしょうか。

 基本的にゆるふわな世界線なので。


 次回短編予告

 異世界に召喚された聖女はこの手の創作物をよく知っていた。

 知っていたからこそ、メタ読みで物事を考えてしまっていた。

 そしてその結果、聖女の予想は裏切られた。


 次回 聖女様は迷探偵

 真実はいつも一つどころか百とか二百とかあったって何もおかしくないんですよォ!

 えっ? そもそもそんなに真実が転がってるはずがない……?

 きっと気付いてないだけで貴方の背後にも真実が……

 えっ? 真実を亡霊みたいに扱うな? それもそうね。

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― 新着の感想 ―
ほうれんそうって大事よね(ただし適切な相手にした場合に限る)
誰も不幸にならないどころか落ち着く所に落ち着いた感。 ベターのガワを被ったベストエンドなのでは? ボブは訝しんだ
確かにみんなちゃんと適切な相手に相談しようね…みたいなオチではありますね笑 みなそれなりに幸せになれてよかったね…最後の幼馴染が一番危なかったので、義弟に相談したのが本当に良かったね…!
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