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4、かっぷる?

八乙女四葉やおとめよつばサイド☆


仕方が無く私は行っている。

そう。仕方が無いのだ。

思いながら私は横に居る先輩を見る。

先輩は私の横で歩きながらチラチラ私を見ている。

その度に心臓がバクバクになる。


「四葉」

「...はい!?」

「き、今日は...いい天気だな」

「そ、そうですね」

「...」

「...」


言葉が続かない。

誰か助けてほしい。

思いながら私は困惑しながらモジモジしていると先輩が言葉を発した。

「四葉は俺なんかと一緒で楽しいのか」という感じで。

私は「はい!」と上ずった声で返事をする。

情けない。


「...何で俺なんかと一緒で楽しいんだ?」

「え?...そ、それは...。先輩だからです」

「...そうか」

「私、先輩に救われてからずっと先輩の事を考えています。それは好きとかじゃないですけど...ただ先輩が心配で」

「...俺の事は大丈夫だぞ。そんなに心配しなくても」

「そうですね。でも...私が心配しているから」


そう言いながら私は先輩を見る。

先輩は困惑な感じで「そうか」と返事をする。

そして私達は歩いていると先輩が足を止めて顔を上げる。

それから眉を顰めて前を見た。

その先にはかなり綺麗な他校の女子が居るが...。


「...四葉。こっちから行こう」

「え?あ、はい」

「...あれは...俺の幼馴染だ」

「...え」


私はそう呟いてから振り返る。

そこには3人の女子が居り笑っていたが同時に先輩にそう言われ醜い感じがした。

何で先輩を裏切ってあんなに笑っているのだろうか。

そんな事を思いながらだ。


「すまない。少しだけ遠回りになるけど」

「私は構いません...あ」

「ん?」

「こっちのルートは確かジュース屋さんがあります」

「ああ。そうなのか」

「一緒に買いませんか。その先輩が嫌じゃ無かったらですけど」


そう言いながら私は先輩を見上げる。

それから期待の眼差しを向けた。

すると先輩は「そうだな」と返事をしてくれた。

私は(やった)と思いながら嬉しくなる...いけないいけない。

こんなに喜んでどうする。


「...四葉は何ジュースが好きだ?」

「私はオレンジジュースですね」

「そうか。俺は...まあブドウかな」

「そうなんですね」


それから私達はジューススタンドに来る。

すると30代ぐらいの女性の店員さんが私達を見てから笑みを浮かべて「カップル割ですね」と直ぐに言った。

私は目が・・になってから「はい!?」という感じで絶句する。

そして真っ赤になっていく。


「え?し、しか...」


そこまで言った先輩に代わってから私は看板を見てカップルで1杯無料の文字に「か、かっぷるです!」と赤くなって大声を発した。

それから店員さんは「ではその証明にお相手の方の頬にキスをして下さい」と笑顔になって言ってくる。


ま、まさか!?

私は真っ赤になって先輩を見る。

先輩も赤くなっていた。

そして私を唖然として見てくる。


「...どうする?」

「...わ、分かりました。やってやろうじゃない」


私は先輩に「先輩。身長高いんでしゃがんで下さい」と意気込む。

先輩は「おま、冗談だろ!?」と言う。

だけどジュ、ジュースの為であった。

もう引き返せない気がする!


「...」


そして私はそのまま先輩の頬にキス...っていうかファーストキスになる。

私は心底真っ赤になってから先輩を見る。

反応が気になると思いながら。


すると先輩は唖然としており...というか。

ありえないぐらいに真っ赤になって頬を触っていた。

驚愕に驚愕な感じをしている。


「はい。じゃあ無料に致しますね」

「...は、はい...」


私達は精魂尽きた感じで反応しながらそのままジュースを受け取る。

それからグレープジュースを先輩に渡してから片方のお金を払う。

そして私達は近くの椅子に腰掛けた。

そうしてから数分は無言になっていたのだが。

先輩が顔を上げた。


「嫌だったろ?」

「...な、何がですか」

「頬にキスなんて。好きでもない相手に」

「ジュ、ジュースが一杯無料ですから!これぐらいはっ、ね?」

「だが...」

「それにいやじゃないです」

「え?」


私に耳を傾げてくる先輩。

その事に私は真っ赤になりながら首を振る。

「秘密です。内緒です」と力強く言葉を発しながらだ。


そして私はオレンジジュースを飲む。

しかし美味しい筈が何も味がしないし甘ったるい気がした。

正直、砂糖水としか思えないのだが。

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