私が先輩を堕とす話
初投稿です。
ぜひ読んでみてください!!
一目惚れだった。陸上部を見ていたら、イケメンの先輩がいた。多分2年生だと思う。センターパートの髪型に美顔!そして、運動神経がいい、これは、誰だって惚れるだろ。
はっきり言うと彼は私の好みど真ん中だった。
私は頭の中で、黄色い悲鳴をあげていた。ほんとに、それぐらいイケメンだった。背が少し低かったけど、全然気にならなかった。私は教室に戻り、友達にその先輩のことを言った。
「ちょっと話を聞いてくれないかな?」
私は友達の香李に話しかけた。
どうしても、この話を聞いてもらいたかった。まさかこの私が一目惚れするとか。
「どうしたの?というか、ここ君のクラスじゃないでしょ」
私はすぐ言った。「イケメンおった!!」香李は驚いた様子だった。
「えっ、誰?何年生?どこにいる?!」
「多分、2年生」
「よし、3階に行こっか!!」
香李はイケメンに目がなかった。香李は、外見がとても可愛い。先輩が、香李に惚れる可能性なんてじゅうぶんあった。
私は香李に、手を引かれながら3階に行きそうになった。
そのとき、ちょうど先輩が目の前にいた。恥ずかしくて目を逸らしてしまった。きっと今私は顔が真っ赤だろう。その様子を見て、香李はそんな私の顔を見て『えっマジ、この人か、納得』とでも言いたげな顔をしていた。
私は、そこでもう一度先輩を見た。制服に目がいった。私は目が丸くなった。先輩が着ていた制服は女子のものだったからだ。少し、ほんの少し、悲しくなった。だが、それ以上に尊いと思ってしまった。
先輩がいなくなったあと、香李は私に話しかけた。
「あの先輩、女だったね。イケメンだけど私は男しか興味無いや、あれ?固まってるけどだいじょーぶ?」
私がこうなるのは当たり前だ。
「なんか尊い。3次元の女子にこんな感情になるなんて……、あ”ぁ”お顔が美しい!今日もセンターパートだけど若干マッシュぽくなっていて、なんかもうやばい、お粋駄先生の美澄×蘭奈のカプもいいけど、現実の私×先輩とか、なってくれたら私、嬉しすぎて死ぬかも!!先輩のこと推そうかな?!もう推し!!」
私はつい言ってしまった。
ここでわかる通り、私は夢女子だ。腐女子でもあるけど、雑食ですかね。だから全然同性でも大丈夫なのである。お粋駄先生というのは私の好きな百合本の作者である。
香李に生ぬるい視線を貰ってしまった。
「何かね香李?私がこうであるのはもとから知ってだろう?
見るのもいいが、実際にヤってみるのも悪くないだろ!?」
こんなことを言ったができるかな?ため息をつかれた、
「やってみる、がやばい方の意味に聞こえたんですけど……
まぁ、私のことじゃないし、ご勝手に、」
というか、その先輩なんか哀れなんだけど、と香李が小声で言っているのを聞こえた。
「昔はおっとり系美少女だったのに……こんなになって、私は悲しいよ。今も中性的な美人で可愛いけれどね。」
香李がそんなことを言った。思わず君の方が可愛いよ!!と言いそうになったのはしょうがない。だがしかし、先輩が女なら私の外見はいいのではないか?中性的な顔立ちにハーフで黒髪碧眼、まさに王子様。そこまでじゃないけど。ピアスはすごいあけてるし。
それでも諦めずに私は、毎日鏡に映る自分に向かって、お前なら先輩を堕とせる!と励ましている。
はい!、というわけで運動会がやってまいりました。
あれから何も進展がない!!、悲しい!!
これは先輩にアピールするチャンス!私は1000m走に立候補した。これでも私は少し運動神経がいいからね。文化部だけど。
ピストルの音が鳴った。走り出す。先輩は、はやくも3年生を抜かし、トップにでた。その時私はこう思った。『あれ……これ絶対記憶になんて残んないやつだ。』と全くその通りである。
私は最後から3番目、とても疲れたがクラスメイトに「尽獄さんすごい!!」と言われたからよしとしよう。それでも本日の先輩は、とても素晴らしかった。髪を汗でぬらし、水も滴るいい男ってやつ。全然水なんかないし男じゃないけど、それくらいかっこよかった、憧れる、と香李に話したら、少し引かれた。
いいことを思いついた。先輩を盗撮しようと。写真部だから校内で一眼レフとかを持っていても変な目で見られないのである!!。香李は「 そこまですると犯罪じゃない?」と言われたが私は「バレなきゃ犯罪じゃないんですよって誰か言ってたじゃん」とニヤリと笑いながら言い。香李は、バレても知らないよと呆れた顔で言われ見捨てられた。悲しい。別に大丈夫だろう。
そんな時期もありました。
先輩に見つかった。
あまりにも早く見つかった。なぜ見つかった?。まだ10枚しか撮れてない。放課後理科室に呼び出された。
正座をしなければならない雰囲気があった。先輩は言った。
「君は誰?なぜ私を盗撮していたんだ?」
あぁ、声まで美しい、ハスキーボイスで、でもそこまてま低くないアルト声、口調も素晴らしい。先輩の視界に入れただけで幸せだから結果オーライだと私は思い始めていた。
「一目惚れしたからです。先輩、お名前聞いてもよろしいですか?」
先輩がキョトンとした。何その顔。撮っていいかな?撮っちゃお。
カシャッ
「おい、なんで撮っているんだ。というか、一目惚れ?嘘つくなよ」と先輩が言った。
「嘘じゃない、私は先輩のことが好きです。」
先輩はこういってきた。
「じゃあ、言ってみろ、私の好きなとこ。」
勝ち誇ったような笑みでそういった。
こんなのってある?Sっぽい先輩がやばい。
「まず美男ですね。いえ、イケメンです。私が惚れたのはその顔です。運動神経がいいのも好き。盗撮しててわかったんですけど、先輩って優しい。そして表情が豊かです。制服が似合っていて、かっこいいです。端的に言うとこういうところが好きです。というか名前教えてください。」
「はあ、伊哉秋だ。」
「素敵なお名前ですね。私は、尽獄和泉です。で、告白についての返事は?」
綺麗な名前だぁ。
「無理だ。盗撮されてた人間と付き合うつもりは無い。そもそも、同性だ。」冷たく言われた。
私がキョトンとなった。私は立ち上がり、先輩……秋さんを押し倒した。「好きな人に性別なんて関係ありませんよ。秋さんは男性経験あります?」私は抵抗する先輩を押さえつけ、白のシャツに手をかける。あぁ、汚したくなる。
「何をするつもりだ?!」秋さんの顔が赤い。
「私はあります。秋さんはなさそうですね。つまり、私が秋さんのこと、可愛がってあげます。」
喋っているうちに秋さんの白いシャツのボタンは全部外し、女性用のベルトをとった。
そしてカメラで、
カシャッ
先輩の下着姿を撮った。
「こんなことをしてもいいと思っているのか?犯罪だぞ。」
彼女は、顔を真っ赤にして言った。
大丈夫、そんなことできないような体にしてあげるから。
その後、私は先輩を食べた。
香李に次の日報告をしに行った。
「香李、先輩のこと堕とせたよー。秋さん、とても可愛かったぁ〜」
香李は驚いたように、少し悲しそうに
「良かったね。カップルになったんだね、おめでとう。」
と私に言った。
この私が、女の子の感情の機微にもきずけないような人だと思われていたなら悲しいな。でも、私は気づいてないふりをする。
秋さんがこっちにやってきた。
私は彼女の手を取り、一緒に歩く。
香李のことは少し悲しい、けど、秋さんと付き合えたから。良かったかもしれない。
「おはようございます。秋さん!」
「あぁ、おはよう。」
秋さんが笑った。私は嬉しくなって笑い返した。
ありがとうございました!(´▽`)