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under 500 Ⅱ

やさしさ安定所

あなたに、頼みたいことがありまして。


そう言われてから、数日がたった。


あの時、首を素直に、縦に振ったから。


なんか、よく知らない立ち位置にいる。



今働いている会社とは、別会社。


そこの、特別相談役みたいなやつ。


そんな、初めてのやつだ。



教え方、うますぎるよね?


やさしさの、塊だわ!


そんなのを、数え切れないくらい言われてきた。


それが、評価されたらしい。



危機ある会社の相談役。


そのような位置に、抜擢された。


でも、責任感は嫌いだから。


やや怖かった。



危機ある会社。


そこが、コンサル会社に依頼した。


そのコンサル会社が、僕に依頼したということだ。



コンサル会社の、改善案。


それは、誰でも採用するということ。


先着順で。



そんなの、今まで聞いたことがない。


大胆な戦略に出た会社に、驚きしかなかった。



ランジェリーの会社。


ということもあり、女性が多かった。


募集要項に、何も出来ない人歓迎。


そう書いていた。



特殊な仕事でないと、才能が開花しない人。


そんな美女は、結構いるみたいだ。


美女だけど、仕事をクビになり続けた人。


そんな人、ばかり来た。



ひとつのことしか、一度に出来ない人。


日常生活も、ままならない人。


厳しい会社すぎて、辞めた人などなど、たくさん来た。



僕は、おじさんだ。


そして、小心者だ。


だから、優しいのが、ありのままの自分って感じだ。



自分が、物分かりがよくない人。


だから、細かく細かく教えた。


ただ、それだけのことだけだ。


自分が、厳しくされると、パニックになる人。


だから、やさしさは自然と、出てきたものだ。




たくさんの、中途採用の美女。


その美女たちに、やさしく教えた。



すると、みんなの才能が、開花した。


丁寧にやさしく。


主語や述語などを、きっちり配置して喋る。


それが大事なんだ。




みんなが、告白してきた。


美女たちに、好きになられてしまった。


強めで、ちょっと怖かった。


やさしさは、僕も求めているんだ。



この会社に来れば、やさしさで心が安定する。


そんな噂が、世間に広がった。


特に、若者の間で。



雑誌の取材も、来た。


インタビューを受けた。



後日、雑誌を見たら。


見出しに、こう書かれていた。



『やさしさ安定所 森優志』


全然、悪い気はしなかった。

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