白霊姫は友達の家に行く
もう少し投稿します!
パーティーから家に帰り、少し落ち着いた後、私ははたと気がついた。
「あら?第一王子が偽物だったのなら、なぜソフィア様はそれに気づかなかったのでしょう?」
するとどこからともなくルーくんが出てきて呆れたように言った。
「いや、気づいてただろ。おかしいって言ってたじゃねぇか。」
あ、そういうことだったのね。何がおかしいのか気になっていたからスッキリしたわ。
そんな話をしながらだんだん眠くなってきた私はぐっすりと眠ってしまった。
「起きてください、オリビア様!」
「ふわぁぁ…アン?どうしたの?」
「お、オリビア様にお会いしたいという男性がきてるのですわ!」
…?今日ってエイプリルフールだったかしら?
『じゃなくてあの、変な男だろ』
変な男?…あぁ、ノアさんね。
「知り合いだわ。アン、いつもより少し可愛い服でお願いできるかしら?」
「えぇ、もちろんです‼︎」
過去最高速度ではないのかと思うほど早く私を着替えさせるとアンは私をノアさんの元へと連れてきた。
「お待たせして申し訳ありません。」
「いや、俺も少し早くきすぎた。すまなかったな。今日は少しお茶でもどうかと思ってきたんだ。」
お茶…こんなイケメンとお茶会…。
「もちろん光栄ですわ。」
「場所は俺の別荘でしようと思う。着いてきてもらってもいいか?」
私はコクリと頷いたのを確認してノアさんは私を馬車に乗せる。
「初めてです。お兄様とお父様以外にエスコートしてもらうのは。」
「そういえば昨日、あのあとどうなったんだ?」
私はヴェールの中で顔を歪ませながら答える。
「いえ、それが、面白半分で選ばれてしまって…」
「やはり、オリビアは選ばれたか。」
やはり?いやいや、偶然ですわ。
「オリビアは第一王子の婚約者にはなりたくないのか?」
「どうしても嫌というわけではありませんが、私には荷が重いと思いますわ。それに今のように下町の皆さんと医療を通じて話すことも難しくなるでしょうし。」
馬車の窓からは畑を耕す人や、物を売る人が見える。
「オリビア、君の力を使えばもっと莫大な権力を持つことが可能だと思うが…」
「いりません。」
私がきっぱりと告げるとノアさんが驚いたように目を見開いた。
「私の力は身分が高い人には必要ないと思うのです。身分が高い人はお金があるので、ほとんどの病気を治すことが可能でしょう。しかし、下町のものは違うのです。お金がなく、簡単な風邪のような症状で1日に何人もの子供が死んでゆきます。また、下町のものの方が怪我をし、病気になる可能性が高い。なのでこの力は権力を持っていない人を優先して使うと決めているのです。」
ポカンと口を開くノアさんを見て急いで付け加える。
「も、もちろん、身分が高い人を助けることもありますよ?どうしても治らない病気などは私の力が必要ですから」
ごくりとノアさんは息を呑むと口を開いた。
「それなら、俺の…」
「ノア様、オリビア様、別荘に到着いたしました。」
従者がそう告げ、ドアを開ける。
「ノアさん、どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。」
そう言い、私に手を添えて馬車を降りる。
「では、お茶会をしようか。準備はできているか?」
執事はキッカリ45度腰を曲げて答える。
「もちろんです」
ゆ、優秀すぎる…。
「素晴らしいですね。最近は質のいい従者を集まるのも大変らしいですし。」
「まぁな。これでも俺は一応、おうぞ…いや、なんでもない。まぁ、代々支えてくれているんだ。」
少し焦ったようにノアさんは歩いて行った。
ん〜、なんか隠してるのかしら?
「オリビア様、よくいらっしゃいました。ごゆっくりお過ごし下さい。」
メイドたちに見送られながら私は屋敷の中に入る。
「まぁ、オリビア様が来たのね?」
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