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白霊姫と意地悪王子

まだまだ投稿していきます!

「失礼いたします」

「入れ」

中に入ると仮面を被った王子が待っていた。

「名はなんと言う。」

「お初にお目にかかります。オリビア・ユーリです。どうかオリビアとお呼びください。」

王子は私のことを上から下までジロジロと見たあと、フンッと鼻で笑った。

「お前なんかが、俺の婚約者になれるとでも?」

…はい?っ‼︎なっにこの王子、感じ悪すぎません?

「髪が真っ白な上、顔が見えない人を誰が婚約者にしたいと思うんだ?」

…それは…。私だって、そんなのわかってますわよ。だけど、それを他人に言われる筋合いはないはずよね!

「あー、もう帰っていい。用済みだ。」

っ!

私はヴェールの下で王子を睨みながら優雅にお辞儀し、明るい声で告げる。

「そうですわね。私は王子には似合わないのでしょう。私にもっと合う人を探させていただきますわ。王子もどうか一握りの手を取り合える方を見つけてくださることを願っています。(あなたは私に合わないわよ!誰があんたなんか選ぶかボケ!あなたなんかを選ぶ人は一握りしかいないでしょうけど頑張ってください)」

おほほほほと笑うと私は部屋を出ようと王子に背を向けた。

「おい、挨拶もせずに帰るのか?」

「あら?先程もう帰っていい、用済みであるとの言葉は聞き間違いでしたか?」

「お前…」

やっと私の嫌味が伝わったのか、王子は顔を歪めながら聞いてくる。

「噂ではもう少しお淑やかで、淑女らしいと聞いたが?」

「まぁ、噂とは随分簡単に歪められるものなのですね。」

別にお淑やかでいたわけではない。白霊姫と呼ばれても、馬鹿にされても反応してこなかっただけだ。今回はしょうがない。少しでもこの王子の言いなりになって、見染められたりでもすれば、一生こんなやつと一緒になることになる。

「フッ…アハハハハ!」

急に笑い出した王子をみて私は目を白黒させる。

え、何こいつ、ついに頭がおかしくなった?

「よし、お前は第二関門突破だ!」

奇声をあげそうになるのをなんとか抑えて首を傾げる。

「何を言ってらっしゃるんですか?」

プルプルと震える拳をなんとか抑える。

「あぁ、言っとくけど俺は第一王子じゃない。俺みたいなやつが王になったらこの国は終わるしな」

自分でいうか。

「じゃあ、あなたは…」

「俺は王子の側仕えのリトル。婚約者候補者を煽るだけ煽れって命令されてんだよ。」

いやいや、なんでです?そんな命令してなんの徳が…。

「婚約者がバカにさてっぱなしのやつじゃあいけないだろ?かと言って、第一王子に真っ向から刃向かうようなバカじゃ、外交には向かない。」

「確かにそうですね。だから煽ってたってことなのですね。…って、なんで笑ってるのですか。」

ハハハと未だに笑ってるリトルを睨む。

「顔は見えないけど、怒ってんのは伝わってくるぜ。お前って本当に面白いな!もっとおとなしいやつか、すっげー嫌なやつだと思ってたよ。」

もうこいつのことほっとこ。でも、私、やっぱり王子の婚約者なんて無理だ。

「あの私、王子の婚約者なんて…」

「あ、今更婚約者になるのやめるとかなしだからな。いや、まぁ、さっきの第一関門は別に助けたつもりはないって言い張れば建前できるけど、今回は揉み消せないだろ?まぁ、第三の試験は二週間後だし、じっくり考えろよ」

なっ…。

『諦めろ』

ルーくん!なんとかできない?

『むちゃ言うなよ…。それよりさっき様子見に行ったらアースが心配してたぞ』

お兄様が?あ、そっか。王子と話に行ったっきりなかなか帰って来なかったらそりゃ心配になるよね…。

ルーくんに話しかけられたことで、リトルと少し砕けた口調になりすぎていたことに気づいて急いで口調を正し微笑む。

「失礼いたしました。私のお兄様がお待ちのようですので失礼いたします。」

ポカンと口を開けたリトルを残して私は部屋を今度こそ出た。

読んでくださりありがとうございました!

PV数も着々と増えていてとても嬉しいです!

評価ポイントや感想などを書いてくださるととても嬉しいです!よろしくお願いします!

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