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白霊姫は照れる

おはようございます!

今日、三話目です!どんどん投稿していきまーす!

「へ?あ、え?」

「友達になったのだしせっかくだから一緒にお茶でもしようとユーリ家を訪ねたんだがあいにく留守だったんだ。それで居場所を聞いてここまできた。」

「え、あ、ありがとうございます…?」

ん?つまりは…。

昨日この黒髪イケメンと友達になる→今日私をお茶会に誘いに来る→家にいないのを知り躊躇いもせずに下町にある仕事場に来る→私を見つける→困っていたので助ける

あー、うん。なんでこんないい人と友達になれたんでしょうか。

「手伝ってくださったばっかりで申し訳ないのですが、この人を向こうの患者を寝かせているところまで運ぶのを手伝ってもらってもよろしいでしょうか?」

「あぁ。」

そう答えると軽々と女の人を持ち上げた。

うわっ、これが世の中でいうところのお姫様抱っこ!

見惚れている間にパッパッとイケメンは歩き出す。

「ありがとうございます!」

「いや、大丈夫。気にするな。そんなことより、オリビア嬢、君のヴェールが土で汚れているぞ。」

さっき土を掘った手でヴェールを触ったからかな?

「あぁ…これなら気にしないでください。もう少し経てば取れるんで。実は、このヴェール、取れないんです。お風呂に入ろうとした瞬間とかは取れるんですけどね…。」

「魔術具…か?」

「いえ、いろんな人に診てもらったんですけどこれは多分呪いだと言われました。それに私からは外の風景が綺麗に見えるんですけど、周りからは私の顔は全く見えないみたいで…。あ、この黒い目だけはうっすら見えるみたいなんですけどね!」

「そう…なのか。…でも、その目、とても綺麗だ。」

「ふぇっ⁉︎」

ボンっと私の顔が着火したのは見なくてもわかった。

よかった〜、ヴェールで顔が見えなくて。

『よかねーよ!』

「ルーくん⁉︎」

思わず私は声を上げる。

「どうかしたのか?」

「あ、いえなんでも…」

どうやらルーくんはテレパシーで頭の中に話しかけてきたらしい。

ちょっと、急に話しかけないで!

『オリビアが俺のこと完璧に忘れてるからだろ!』

あ、ごめん…。

『土砂崩れの現場に置いてくきか‼︎』

うぅ、ごめんなさい…。

『マジで怒ってんだかんな!それにあの黒髪は怪しいって言ってんじゃねえか!人の話真面目に聞けよな!』

「今日はすまなかったな。また、明日改めて伺ってお茶でもどうだろうか?」

「もちろんです!」

『俺の話聞けっつーの!』

頭の中でうるさいルーくんを端っこに寄せて私は黒髪と話を続ける。

「あ、名前、聞いてもよろしいですか?」

「俺の名前は…ノアだ。」

え?急に愛称?

「えーっと…ではノア様と…」

「いや、ノアでいい。」

「いえ、それは流石に…」

二人で攻防を続けた結果、ノアさんで話は落ち着いた。

「じゃあ私のこともオリビアと呼んでください。」

「あぁ、わかった。俺はそろそろ予定があるから帰るな。また明日、オリビア」

ノアさんは女性を寝かせ去っていった。

「えぇ、また明日お会いしましょう、ノアさん」

私もそろそろ帰らなきゃいけないわね。

今日も夜、パーティーがある。それも王族主催の…だ。

少し落ち着くとグゥーとお腹が鳴った。

「お腹が、空きましたね…」

「そうだな。オリビア、ご飯食べようぜ」

「それが…お弁当は向こうの仕事場所に置いてきてしまいましたの。」

すると、近くにいた地元のおじさんが寄ってきた。

「聖女さん、もしかしてお昼食べてないのかい?」

「えぇ、忙しくて…」

「ちょいと待ってな!」

少ししてからおじさんは何かを抱えて帰ってきた。

「ほいこれ、おにぎりだ!たっくさんあるから食べや。余ったら持ち帰ってもえぇ。」

「いや、でも、今お金を持ち合わせてなくて…」

おじさんは一瞬キョトンと目を瞬かせた後、カラカラと笑った。

「お金なんざいらねぇさ。なんたってこの街を助けてくれている聖女さんなんだがんな。」

そう言っておじさんは家に帰ってしまった。

「…ありがたいわね…」

「早く、食べようぜ!めっちゃ美味そうだぜ!」

塩の味付けのおにぎりは今まで食べたおにぎりの中で一番美味しかった。

読んでくださりありがとうございました!

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