第9話 「ヤバい」
3匹のロードは片手に大きな斧を持ちカインとアイリスに近づいてくる
「流石に、やばいんじゃないか?」
「そうね、ロードいるなんて。やっぱり今ここで倒さないといけないわね」
ロードはカインとアイリスを囲むように近づく
「ロードは俺が引き受ける、手下のゴブリン達は後5分程で麻痺が解ける。それまでに決着をつけてくれ」
「・・・分かったわ」
1匹のロードが斧を振り下ろす
辺りは土煙に覆われその中から紅い髪をなびかせる少女が出てくる
もう1匹のロードがそれに気づき斧を振り下ろそうとするーー
「ーー紫電」
青紫色の電流が流れロードの身体が一瞬止まる
「お前達の相手は俺だよ」
***
アイリスはキングの元へ走り出す
キングはその大きな拳をアイリスにめがけて放つ
「ーー氷結」
土煙が撒い消えるとキングの拳は氷で固められていた
間一髪で避けたアイリスはキングの拳に乗りーー
「ーー身体強化」
一気に腕の上を駆け上がり心臓部分へと近づく
キングは魔核守る為片方の手で心臓付近を覆う
次の瞬間キングの両目に刃が通る
「グオオオォォォォォッッッ!!!」
キングは氷で固められた拳を無理やり引き抜き片方で目を片方で心臓を守る
キングの腕から降りたアイリスは次に足元を狙いキングのアキレス腱に刃を通す
キングは立つことが出来ずその場に膝を着く
アイリスは背中から魔核を狙う
しかしーー
「キエエェェェェェェッッッ」
キングは甲高い声をあげる
すると3匹のロードがアイリス目掛けて走り出す
「アイリスっ気をつけろ!」
3本の斧がアイリスに降り注ぐ
「くっ!」
直撃は避けたが振り下ろされた斧の衝撃で壁に叩きつけられる
1匹のロードがその隙を狙い斧を振り下ろすが突然膝を着く
「大丈夫かっ」
カインがロードのアキレス腱を斬りアイリスの元へ着く
「・・・えぇ、大丈夫よ」
アイリスは立ち上がり剣を構えると同時にキングも両目を治し立ち上がる
「ヤバいな、後1分で麻痺の効果も切れる」
「・・カイン・・良い作戦があるわ」