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悪魔の子は自由を求め英雄となる  作者: 午前2時
第1章「美しく優しい人」
7/15

第7話「ゴブリンの巣」

森の中を2人の少年少女が駆け走る

森は奥に進めば進むほど薄暗くなる


「もう少しだわ」

「そうだな」


2人は男性に教えられたゴブリンの巣らしき洞窟を目指していた


「・・・正直、ゴブリンはこんな数では行動しないわ」

「確かに」

「となると考えられる可能性はーー」

「ゴブリン・ロードの出現」

「ええ、そうよ」

「あの数のゴブリンを統率するにはロードが必要だ、その可能性に辿り着くのは必然だ」

「そして、攫われた人は皆女性・・・」

「繁殖期だな」

「その可能性が高いわ」


ゴブリンには定期的に繁殖期というとものが来る

その度近くの村や旅人を襲い子を孕ませる

普段ゴブリンは5~10匹程度で行動するため村の戦士でも対抗することは出来た

だが今回は50匹を超えていた


「ロードの出現と繁殖期が重なるとはな」

「不運としか言いようが無いわね」


話を終えると同時にゴブリンの巣と思われる洞窟に着く


「作戦はどうする」

「正直、この中にはゴブリンが軽く100匹居てもおかしくないわ」

「だとすると叩くべきはーー」

「ロードね、統率者を失えば100匹のゴブリンも10匹のゴブリンも一緒よ」

「わかった、それじゃあ俺は手下のゴブリンの動きを止めるよ」

「出来るの?」

「策はある」


2人は剣を抜き洞窟に足を踏み入れた


***


洞窟の中は薄暗く湿っており時折ゴブリンの呻き声と思われる声が聞こえてくる

カインとアイリスは足音を立てずゆっくりと奥まで進む

すると、奥の方に松明の光が見える

アイリスはカインに手で合図をして慎重に近づく


「これはっ・・・!」


近づくと辺りには強い異臭が漂い

カインとアイリスは鼻を塞ぐ


「精液だな」


アイリスは静かに頷く


松明に灯された部屋を除くとそこにはゴブリンは居なかった

だがーー


「遅かったか」

「・・・ごめんなさい」


部屋には攫われたであろう村の娘達が裸で放り投げられたように横たわっていた

ある娘は胸が引き裂かれ

ある娘は下半身が精液で汚れていた


アイリスは自身の唇を噛み眉を顰める


首に指を当てるが1人も息をしている者は居なかった


「アイリスのせいでは無い」

「分かっているわ、でもーー」


アイリスは鳥の髪飾りを付けた遺体を見つける

その遺体は身体中に傷を負い、精液で汚れ、涙を流していた

カインとアイリスと同じくらいの年齢だろうか


すると奥の方からゴブリンの雄叫びの様な声が響いてくる


「この声はーー」

「ロードだわ」


そう確信して2人は奥の部屋へと足を進める

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