第1話 「プロローグ:悪魔の子」
初めて小説を書いてみました。
あらすじもネタバレとかしないように簡潔にしてみました。
良かったら読んでみてください!
俺が生まれて初めて見たものは両親の顔でもなければ医者の顔でもない
水だった
俺は水の中で生まれた
そして、次に見たものは
大きな目だった
その目はギョロりと動き俺と目が会った瞬間糸のように細めて笑った
「遂に、遂に成功したぞっこれでーー」
水の中でよく聞こえなかったが喜んでいる様子だった
「水を抜け、外に出すぞ」
次の瞬間俺を纏う水が抜けガラスが砕けるような音がした
水の中から出た俺は上手く空気を吸うことが出来ず咳き込んだ
目を開けると目の前には白い服を着た男性が立っていた
「やぁ、はじめまして」
答えたいが上手く声が出せない
「私はーーー、君の父親と言っても過言じゃないね」
名前は思い出せない
「今日から君の名はーーセカンドだ」
これが俺の本名
嫌いな名前だ
辺りを見渡すと白い服をきた人が沢山囲んで俺を見ていた
皆俺の事を見て笑っていた
でもきっとそれは祝福の笑顔ではなかったのだろう
「さぁ、立てるかい?」
普通、人は産まれて直ぐに立つことはできない
だが俺は立つことができた
立つと白服の男は褒めてくれた
「では、行こうか」
俺は案内される方へ歩く
途中鏡のような壁がありそこには10歳くらいの黒髪黒目の男の子がうつっていた
***
俺が初めて手に取ったものは両親の手でもなく母親の乳房でもない
剣だった
冷たくそして重いのを今でも覚えている
そして訓練が始まった
剣術に格闘術、射撃、暗殺術
高度な技術を求められたため血反吐を吐くような訓練だった
だか、上手くできると皆喜んで俺を褒めてくれた
俺はそれが嬉しくて訓練が嫌だとは思わなかった
次に魔法の訓練が始まった
この訓練は俺の父親である男が行った
男は魔法の理論から全て丁寧に教えてくれた
魔力の制御の仕方、構成、圧縮など少し難しかったが理解することができた
男は笑って頭を撫でてくれた
***
「セカンド、仕事だ」
「仕事?」
あれから何年経ったか分からないが俺に仕事が与えられた
「リデア王国のこの貴族の暗殺だ」
そう言われ1枚の肖像画が渡された
「人、ですか」
「人だ」
俺は人なんて殺したことがなかった
「わかりました」
でも、罪悪感などは芽生えなかった
結果は上手く成功した
今でもあの貴族の喉元を切った感覚は覚えている
意外と力を入れることなく切る事ができた
それから俺には様々な仕事が与えられた
暗殺に魔物の討伐、さらには戦争に出されたこともあった
どれも失敗することはなく成功をおさめた
そしていつしか周りの人々は俺の力に恐れいつしかこう呼ぶようになっていた
「悪魔の子」