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第7章:十二魔将(前編)

前章で、ミラコスタとかいう野郎がガラスをぶち破っての侵入をやらかしたせいで、俺は仕方なく散り散りになったガラスをしていた。いややってけよあいつ。やり逃げかよ。ホント空気読めてねぇよ。明日担任にどうやって言い訳すりゃいいんだよ。普通に怒られるだろ。






とか言いながら、1時間位かかって、ようやく片付いた。よし、これで帰れる!俺の心はもう躍りに躍っていた。もはやリオのカーニバル状態であった。


結局俺は一気に階段を駆け降りて、そのまま家路に着いたのだった。
















「申し訳ございません、ガラクトス様。敵が思ったより強くて・・・」

一方その頃、帰還して治療を済ませたミラコスタはガラクトスに報告をしていた。


「うるさい!言い訳など聞きたくないわ!何故始末できないのじゃ!」

ガラクトスは怒りで顔が真っ赤になっていた。

「ガラクトス様!そんなにお怒りになられると、血圧が・・・」

付き人らしき人が何とかたしなめようとした。

「うるさい!お前は黙っていろ!」

しかし、それでもガラクトスは耳も貸さなかった。



「だからなぜ始末出来なかったのか聞いておる!油断大敵だとあれほど言ったじゃろうがぁ!」



「申し訳ございません!」

もはやミラコスタは平身低頭で謝っていた。


「え〜い、謝って済むなら警察等必要ないんじゃよ!貴様の様な奴にはもう用はない!」

と叫んだ途端に、


グシャッ!


ミラコスタは何かにぺしゃんこにされてしまった。床はまるでクレーターのようになってしまい、奴はもう跡形もなくなってしまった。


「全く、どいつもこいつも何故たった一人の地球人が始末できん!カプセルひとつでそんなに戦闘力が変わるものでも無いだろうが!」

「ガラクトス様。」

「なんだ!」

「先程の戦闘のデータを調査致しましたところ、例の地球人は氷、シヴァの力を使用したと思われます。しかも、変化率がこの前の戦闘よりも確実に上昇している模様です。」

「何だと!それでは完全漂衣も時間の問題ではないか!」

「はい。このペースでいくと、あと四、五回の戦闘で身につく可能性もあると思われます!」

「これは非常にまずい。仕方ない。十二魔将をここに呼べ!」


もうガラクトスはやけくそだった。

もし地球人にこのようなカプセルが渡ったということが表ざたになったとしよう。かつては海賊団だったうちの組織を、ばれないようにこういう物を作って闇組織に売り渡して作った信頼が全て水の泡になってしまうだろう。それだけは間違いなくあってはならない。ガラクトスの長年の勘がそう告げていた。


「ガラクトス様。そこまですると、他の惑星が手薄になると思われますが・・・」

「うるさい!それでも構わん!」

「はっ!申し訳ございません!早速御呼び立て致します!」







「ただいま〜・・・」

誰もいない。両親は仕事中だからいないのは承知の上だが、糞箱からも返事がない。一体どうしたんだ?




「グオオオォ・・・」

うっわ、寝てやがるよ、この糞箱。強敵と闘って来てボロボロの俺を普通に無視かよ。こうなったら、こっちもしかるべき処置を取らねばならぬ。こいつを堕とす!



俺はコイツがぶっ壊れて動けなくなるような力を右腕に込めて振り抜こうとした。しかしその時、なんと焔のチカラが知らずに発動されていた!何故だ!俺、カプセル飲んでねぇぞ!



ゴシャッ!


超が何個付くか解らない位いい音がした。そりゃ魔物のチカラだから当たり前か。俺はふと考え直した。

「いったいねん!一体ワイが何したって・・・うわわ!あんた、その手・・・」

あの超陽気な箱の野郎が、ガタガタと震えている。これって、そんなにやばいのか?


「一体どうしたんだよ。急に震え出して。これがそんなにマズイのか?」

「マズイもなにもあったもんやないって!まさかこないな奴が地球におったとは、ワイも超びっくりやで。この能力は・・・あれや。確か二百年に一人とかガラクトス様が言うとった、フォーム・アドベントって奴や。飲んだカプセルのチカラをそのまま留めて置けるんやったかな。このままいけば、あんた、完全漂依も夢やないって!」

奴の目がキラキラしている。くっ、地味にうざい。


「はぁ?完全漂依?どういうこったよ。しかも、フォーム・アドベントってレアモノなのかよ!」

俺は奴に聞き返した。



「ええか?完全漂依ってのは読んで字の如しで、魔物のチカラを全て引き出せるチカラの事や。普通その能力は手に入らないとか、そもそも存在しないとか言う話の筈なんやけどなぁ。謎やなぁ。」

と奴は首を傾げた。


謎なんてもんじゃねぇって。もはやラビリンスだって。訳の一つも解らんって。それじゃあ一体俺はどうすりゃいいんだよ〜!


















「ガラクトス様。十二魔将、ここに総員12名、集結しました。」

リーダー格らしき魔物がガラクトスに頭を下げる。

「うむ、御苦労。」

ガラクトスはいつもの表情に戻っていた。

「しっかし、なんでまた御呼出しなんすか、ガラクトス様〜!」

「これ、口をわきまえんか!」

あまりのタメ口発言に、一人が流石に止めに入る。

「いや、いい。今回呼び出したのは他でもない。始末して欲しい人物がおる。」

「殺人依頼ね。それって、イケメン?」

「そこは期待する所じゃないだろ!」

どうやら十二魔将は、非常にまとまりがないらしい。

「まあ、イケメンかは本人を見て判断して欲しい。今回の殺人依頼は地球人だ。非常に戦闘力も高く、漂衣率も急上昇中の様だ。まるであの時のヤツみたいにな・・・」

と言いながら、自分のまるで機械のような右腕を拭き始めた。

「しかしながらガラクトス様。たかが地球人一人の為に、我等全員を招集する必要はないと思いますが・・・一体何故?」

「五月蝿い!そんな事は問題ではない!」

「ハッ!失礼しました!」

リーダー格らしき魔物が素早く頭を下げる。

「まあとにかくだ。この地球人を始末して来い!始末できなかったら、これだぞよ?」

ガラクトスは写真を見せると共に十二魔将を怒鳴り付ける。更に跡形もないミラコスタの潰れた跡を見せた。

「ハッ!了解しました!」

こういうのはしっかり揃うらしい。一声出すと、漆黒の闇へと消えていった。




「なんとしても奴を仕留めねばならん。フッフッフ。楽しみにしておれよ、小わっぱめ!」






今、ガラクトス陣営との全面抗争が幕を開ける!

To be continued...

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