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第36章:謎

はい、どーも。作者です。先日35章を投稿したばかりだったのですが、この二日間でPVが物凄い勢いで増え、6000に到達しちゃいました!このペースには正直脱帽です。なかなか執筆の方が追い付かないです・・・。ちなみに僕は学校に行き帰りする時間で書いているので、どうしても一日に書ける量に限界があるんですよ。今日ようやく48章が書き終わったとこです・・・。遅筆で大変申し訳ございませんが、これからも応援をよろしくお願いします。それでは本編をお楽しみください。

前章で、サミュエルさんが持ち出してきた『船紙』のお陰で、後半年でガラクトスの連中が地球に到達するということが分かった俺と中濱は、サミュエルさんの持ってきた『三つ目の話』について話を聞こうとしていたのだった。

その一方で、ガラクトスサイドにも何やら動きがあった様だ。







「ガラクトス様・・・。ただ今全隊、帰還致しました。」

LEVEL4の内の一人がそう報告した。隊の人数は元々184名だったのだが、今では50人程にまで減っていて、LEVEL5の連中は全員やられていた。

「な、何故あれだけの人数が行って、一人を始末できないんじゃ!!?」

ガラクトスの表情がみるみるうちに鬼神の様になっていった。

「お言葉ですがガラクトス様。それにはちゃんとした理由があるんです。」

一人の小さな戦闘員が言った。どうやら最近入ったばかりらしい。

「おい、コラ!言葉が過ぎるぞ!」

指導係の戦闘員がたしなめたが、

「なんだ。言ってみろ。」

ガラクトスはそれに食いついた。

「はい。僕は見たんです。あの地球人が、段々白きケモノへと変化していったんです。眼は真っ赤で、周りに黒いオーラが取り巻いてて、ところかまわず私達の戦闘員の頸動脈を的確に仕留めてるんですよ。」

その小さな戦闘員はゆっくりと語った。それを聞いた途端、ガラクトスが身を前に乗り出して、

「な、何じゃと!?ちょっとすまんが、お前は後で私のところに来なさい。詳しく話を聞かせてくれ。」

と言った。当然、他の戦闘員達は驚いた。いくら重要な証言とはいえ、普通だったら幹部クラスの人間を通して、彼に通達されるはずだ。その

「通例」を無視して話を聞きたくなるほど、この下っ端の証言はガラクトスにとって大きな問題であることは確かなようだ。


「は、はい!了解しました!」

その下っ端はビシッと気をつけをし、そのまま深々と頭を下げた。

「いいか、お前達。こういう時には、階級など関係ないのじゃ!だからその小わっぱを呼んだのじゃ!そういう敵の観察を怠るでないわ!そんなんだから、たった一人にこんな痛手を負わなければならないんじゃ!もっとしっかりせい!」

ガラクトスはもう一度椅子に座り直すと、他の戦闘員達に激を飛ばした。

「はっ!」

「イー!」

戦闘員達は一斉に敬礼した。

「よし!各自宿舎に戻って、20分後に飯じゃ!遅れたものは食うべからず!解散!」

ババッ!

彼らはガラクトスの号令で、一斉に宿舎へと戻っていった。


地球到達まで、あと180日・・・!










「それで、サミュエルさん。三つ目の話って、一体・・・?」

俺は彼に聞いた。

「おぉ、そうだ。三つ目の話は・・・君の暴走についてだ。」

サミュエルさんは一回口ごもったが、更に続けた。

「中濱君には簡単に話をしたが、あれは『禁呪』の一つなんだ。それも、一度封印されたはずのね。君がかかっている呪いは、簡単に言ってしまうと、直ることは恐らくないだろう。」

そこまで言うと、彼は言葉を止めた。俺はサミュエルさんの言葉が信じられなかった。

「なっ・・・!それって、どういうことっすか!?」

俺はサミュエルさんの話に噛み付いた。

「いや、この話は伝説のはずなんだが・・・。」

そう言って、彼はその呪いができた時の話をしてくれた。




今からおよそ7万年前の話・・・。昔、あるところに普通の魔法使いがいました。彼は魔法をこよなく愛していたし、悪いことには絶対使わない、強い正義感を持った男でした。

ある日、彼がいつものように魔法の研究をしていると、一人の男が来ました。そいつは強力な闇の魔法使いが化けた姿でした。

「すみません。あなたに折り入って、お願いがあるんです。」

「はい。出来る限りのことは御引き受け致します。」

「実は・・・、家の猫を治してほしいんです。昨日からぐったりして、なかなか動かないんです。」

「解りました。なら、今すぐに飛び切り効能のある薬を作ってあげましょう。」

そう言って彼は薬を調合し、その男に持たせました。

「ありがとうございます。それでは家に帰って、早速使わせていただきます。」

男は深く一礼すると、足早に研究所を出ていきました。


二日後、魔法使いの耳に、信じられない情報が入ってきました。それは、一匹の化け物が町を荒らし回っている、というものでした。彼はその言葉を聞くと、壁に立て掛けてあった杖を持って、早速街へと駆け出しました。


「うわあ!助けてくれぇ!」

街に着くと、そこは『地獄』という言葉がピッタリと合う世界でした。白いケモノが町中を荒らし回っているではありませんか!

「こ、これは一体・・・はっ、まさか!」

「フフフ。その通りだ。若き魔法使いよ。」

「だ、誰だお前は!?」

彼が振り返ると、そこには見慣れた男が立っていました。それは間違いなく、二日前に自分の家に来た男だったのです。

「いやはや、世の中を知らないとはいささかこのことぞ。我の名はマリ・クレール。偉大なる闇の魔法使いだ。おまえの作った薬は非常に役立った。礼を言うぞ。」

マリ・クレールと名乗る男は不敵な笑みを浮かべている。

「お前!俺の薬に一体何をした!?」

「なに。おまえの薬の成分をちといじくって、呪いがかかるように調合し直したのだよ。元々微量ながらそういう成分が含まれているからなあ。」


実は、彼の薬にはちょっとした秘密がありました。それは亜空間の結界の中にしまってある、幻のキノコを交ぜていたのです。それだからこの薬は彼にしか調合できません。そのはずなのに、どうしてそんなことが出来るのでしょうか。

「まあ正確には、『調合し直した』というよりも、『調合に使った』といった方が正しいのかもしれんが・・・。」

「な、何だって!?あの呪いは禁呪の一つじゃないか!」

彼はすぐに察しがつきました。その呪いは太古の昔に封印されている呪いでした。

「ハッハッハ!なかなかキノコが手に入らなくてな!お前が持っているのを突き止めて、わざと変身して、お前から薬を奪ってきて、調合して猫に飲ませたのだよ。フハ、フハハハハハハハハハハ!!!」

クレールは高笑いした。


魔法使いは悔しがりました。地団駄を踏みまくりました。あまりの悔しさと情けなさに、彼は自分を呪いました。そこで、彼はある決心をしました。

彼はゆっくりとコートを脱ぎ、杖をぎゅっとにぎりしめました。そして、亜空間に行くためのキーも取り出しました。そのキーしか、キノコのある空間に行くことができません。

「な、何をする気だ!?」

「あのケモノに突っ込んで、消滅させる。」

「ハッ!何を馬鹿なことを言っているのだ!そんなことが出来るはずなかろう!」

「いや、やるんだ。元々このケモノを作り出したのは僕の責任だ。だから僕が責任をとる。そこで見てろよ!」

そう言うと彼は全力でそのケモノに飛び込んだ!


ドガアアアアア!


その魔法使いは命と引き換えに、白きケモノを消し飛ばしました。当然キーも消し飛んでしまったので、キノコも取り出せなくなってしまったので、その呪いは封印されたも同然の状態になってしまい、今もその禁呪は使われず、封印され続けているのです・・・。




「まあ、簡単にまとめるとこうだな。」

そう言って、サミュエルさんは話を終えた。


「いや、ちょっと待ってくださいよ。マリ・クレールって確か、十二魔将の一人でしたよね?その人、まさか7万年生きてるんですか!?」

中濱はどうやらその部分に驚いているようだ。他にももっと重要なところがたくさんあるだろう。

「よくぞ聞いてくれた!実はあそこは代々世襲制らしいんだ。確か、あいつで70代目・・・くらいだったかな。」

「「はあ!?」」

久々に俺と中濱の声がかぶった。どっかの落語界の話でもしているのだろうか。

更に驚くべきところは、単純計算しても一人当たり1000年生きていることになる。魔法使いが物凄い長命なのは知っていたが、まさかここまでとは思ってもいなかった。

「えっと、それで本来の話に戻りますけど、何故そんな呪いが俺の中に・・・?」

俺はサミュエルさんに尋ねた。俺の中ではこれが一番重要な話だった。

「さて、そこが今日俺がここに来た理由だ。」

サミュエルさんは軽く咳込み、ゆっくりと語り始めた。

「まず、何故あの戦いで君は今まで発症しなかった呪いが出てきたのか、解っているだろうか。恐らく、無関係であるはずのタレーランさんが襲われたことからくる、激しい怒りが作用した。そう考えるのが自然ではないかい?」

俺が軽く頷くと、彼は更に話を進めた。

「それにもう一つ、それじゃあそもそも何故君の中に呪いが存在しているのか。これにはある二つの仮説が考えられるんだ。一つは今までの戦闘のどこかで呪いにかかるように仕向けられた。これが一番確率が高そうなんだ。それでもう一つは・・・、君が元々何かしらの運命を背負って生まれて来た存在であるということ。」

彼はそこまで言うと、俺の肩を叩いた。

『運命』・・・。それは俺が今までの戦いで一番よく感じてきたことだった。口にするのは簡単だけど、実際は重くのしかかる、遥かに危険なものであると。俺は言葉を出せなかった。


「それにしてもサミュエルさん。一つ目の仮説の話なんですけど、それが有り得るのなら、マリ・クレールって奴はその伝説のキノコを持っていることになりませんか?亜空間には入れないから、取り出せないはずでは?」

不思議に思ったのか、中濱は更に質問を重ねた。

「うん。そのはずだから二つ目が恐ろしいんだ。でもその仮説が正しいことになると、もしかすると・・・君は地球の人間ではないのかもしれない。」

その瞬間、俺は机を叩いて立ち上がった!

「何をいきなり訳の分からないことを言い出すんですか!?俺の出生から否定ですか!?ちゃんと産まれてすぐの写真がうちのアルバムに何枚もあるんですよ?そんなこと言うのはやめてください!いくらあなたでも、軽蔑しますよ!?」

俺はその一言に激昂していた。どうしてそんなことをしゃあしゃあと言ってのけられるのか。しかも、本人のいる目の前で!

「いや、これにもちゃんとした裏付けがあるんだ。」


果たして彼の口から語られる、

「裏付け」とは一体!?

To be continued...

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