第23章:失敗
はい、どーも。作者です。あれ?何でもう投稿してんの?と思っている方も沢山いらっしゃると思います。そうです、早いです。でもこれにはちゃんとした理由があります。PVが3000に到達しました!ですからその感謝もこめて投稿しました!こんな僕の稚拙な小説を読んでくれる人がいてとても嬉しいです!それでは本編をお楽しみ下さい。
前章で、唐沢に取り付いている十二魔将を唐沢ごと、全員のコンビプレーでやっと亜空間に引きずり込む事に成功したのだった。
シュオオオォォ!
スタッ。
サミュエルさんとタレーランさん、そして唐沢の三人は鮮やかな着地を決めて、俺と中濱の待つ亜空間にたどり着いた。
「ほお。待ち侘びたぜ。」
中濱が首を回しながら言った。
「こんなかわいこちゃんに取付きやがって!許さねえぞ!」
いやそこかよ。そういう問題じゃねえだろ。それは間違ってるだろ。
「とにかく、まずは唐沢から離れるんだ!そして、お前を倒す!」
俺はいきり立って言った。
「ヨホホホ。可哀相だねぇ。」
唐沢に取り付いている魔物は不敵な笑みを浮かべた。
「な、何だと!」
「何故なら、あなたたちはここで死ぬのだからねぇ!」
不意に唐沢の周りに深い闇のようなオーラが見え始めた。それはもうこの世のものには思えなかった。
「まずい!奴はガドリニウムだ!」
サミュエルさんは一瞬たじろいだ。ガドリニウムとは十二魔将No.2の実力の持ち主で、魑魅魍魎を操ることが出来るという奴だ(第8章参照)サミュエルさんがたじろぐのも分かる気がする。
「サミュエルよ。これは私達の組織にたいする裏切り行為と見ていいようね。どうやら諜報班が手に入れた情報は確かだったようねえ。」
「ち、諜報班!?やっぱり存在していたのか!?」
段々と組織内の話になって来ている。俺には理解が難しくなってきた。
「サミュエルさん。俺達がここで粘りますから、タレーランさんと一緒にここから脱出してください。」
中濱が突然言い出した。
「おい、中濱!お前急に何言って・・・」
俺はその言葉を信じられなかった。当然だ。人員を減らして勝てる相手では間違いなくない。
「分かってる。今の俺達じゃ勝てる相手でもないし、タレーランさんは俺達を護衛しに来たってこともな。」
「じゃあ四人で戦った方がいいだろ?」
「それは確かにそうさ。だけど、これ以上人を失いたくないんだよ!」
中濱の言葉に一瞬ハッとなる。確かに自分以外の人を失うのだけは絶対に嫌だ。だから俺は仕方なく承諾した。
「・・・わかった。それじゃあ・・・生きて帰ってこいよ。」
サミュエルさんも一瞬考えた後、彼女を抱き上げて、外に出ていった。
「さて、どうやって始末してやろうかな。」
ガドリニウムが腕をくるくる回し始めた。
「いくぞ!中濱!」
「おう!」
俺は初めて見る、紫色のカプセルを、中濱は黒いゴーレムのカプセルを取り出して、一気に口に放り込んだ。
シュオオオオォォォ!
俺達は更に集中した。完全漂依して、一気にケリを付けようと思ったからだ。手を抜いて勝てる相手ではない。かといって、全力を出し切ったって勝てるかどうかわからない。そんな事は二人とも間違いなく分かっていた。けれども、唐沢を救うため、そして、地球を守るためにやらなければならないのだ。
カッ!
中濱は巨大なゴーレムになってきていたが、俺は・・・何だこれ。みるみるうちに体から羽が生えてきた上に、なんかトサカみたいなものが生え始めた。ヤバイ!これは間違いなくゲリョ●ではないか!いいのか!?いくら星が違ったからとはいえ似過ぎだろ。つーか全く同じとしか言えなくなってきたぞ?
彼の会話がわからないという人のために一応説明しておこう。ゲリョ●とは、某人気ゲームに出て来る毒を吐く怪鳥だ。ちなみに紫は亜種で、本当は灰色をしている。死んだ振りとかもして、結構えげつない。
とにかくこれでは勝てないと俺はすぐに感じ取った。俺が白いカプセルを飲もうとした正にその時、
「遅い!」
オドロロロロ!
そう言い放つや否や、奴の後ろに出来た闇から、大量の火の玉が出てきたではないか!いくらなんでも数が多過ぎるぞ!
ガガガガガガガガッ!
俺が変身しようとしている間に、中濱が全て受け流してくれた。
「おい、もうちょっとまともな奴飲めよ!」
中濱が受け流しながら言った。
そして俺は緑のエグドラシルのカプセルを飲んで、素早く完全漂依に持って行った。
カッ!
デ、デカイ。ガドリニウムが小さく見える。二人ともでかい魔物を選んだのはちょっと間違いだったかな?俺はふと思った。
しかし、そんな事を言ってる暇はない。俺は例の如く葉っぱの雨を打ち込んだ!
ドドドドドドドドッ!
大量の葉っぱが奴に向かって降り注いだ。
「や、やったか!?」
あいつは避けなかったから、間違いなく当たっているに違いない。俺達はそう思っていたその時!
ズバアッ!
「ガハッ!?」
信じられなかった。いきなり背後から何者かに切り付けられたのだった。振り返るとそこには刀を持った骸骨が一匹立っていた。
そうか。ガドリニウムは魑魅魍魎を扱えるから、このくらい呼び出すのは他愛もないのか。こいつは迂闊だった。
「なかなかいい攻撃だったな。でもこんな攻撃じゃ、私は倒せないよ。スカルゴン!出て来て相手しておきなさい!私はここでおいとまするからね。」
ガドリニウムはこの場から立ち去ろうとした。
「おい!ちょっと待てよ!まだ戦闘の途中だぞ?」
冗談じゃない。ここで逃げられたら作戦が全て水の泡だ。俺は制止にかかった。
「おやおや、随分と元気だねえ。だからあなたをこの女の子の手であやめると、この子が可哀相だからね。だからスカルゴンにお願いした。さあ、やっちまえ!スカルゴン!」
ズズズズズッ!
深い闇の中から、巨大な骨だけのドラゴンが現れた。その隙に奴は亜空間から出ていってしまった。
「クソッ!俺達をどこまでナメてやがる!中濱!こいつには負けねえぞ!俺はこのスカルゴンとかいう奴を破壊するから、おまえは骸骨を頼む!」
「了解!」
俺達は散り散りになって奴らを迎え撃つことにした。
「いっけええぇぇ!」
ドシュウ!ドシュウ!ドシュウ!
俺は右腕から激しく光線を発射する。しかし、奴は全て紙一重のところでかわしている。しかも、
バララララララララ!
奴の肋骨が俺目掛けて飛んでくるではないか!
ババババババババッ!
俺はチョーク五稜郭をかわした勢いで全部かわしたと思っていた。すると、
ズガッ!
「ぐはあっ!」
何故だか知らないが、後ろから最後の一本が俺に突き刺さっていた。こいつ、骨を操る力まで持ってやがるのか!?そりゃねえだろ!強すぎだぞ?俺は背中に刺さった骨を抜きながら思った。
「ぐ、う・・・。」
やばい、少しふらふらする。痺れる奴が混じっていたらしい。おいおい、そりゃ勘弁してくれよな。
一方中濱の方はというと・・・
シュババッ!
「この野郎!そこかああぁぁ!」
ズドオン!
しかし中濱の攻撃は完全に外れていた。
「畜生!うろちょろしやがって・・・。これでどうだ!」
ガラララララッ!
中濱は体の煉瓦を落し始めた。
「お、おい中濱!何やってんだよ・・・。」
俺はふらふらしながら言った。
「これなら軽いだろ?」
シュパッ!
は、速い。これはかなりの大技だ。しかし、両刃の剣でもある。喰らうダメージは大幅に増えるからだ。しかしかなりの名案である。やってみる価値はありそうだ。
「スカルゴンさん。ここからが本番だぜ!」
ブワッ!
俺は全ての葉っぱを奴目掛けて放射した。その数は一万枚位だっただろうか。数え切れない。
ストトトトトッ!
どこかに刺さる音がした。俺は更に全速力で奴に突っ込んだ!
バゴオオオオッ!
どうだ!これなら壊れ・・・
ピクッ!
ズッ、ズズズズズッ!
あれ?なんか、元に戻り始めてる。ゾンビだからと覚悟はしていたけれど、ここまで普通に復活されても、こちら側が困る。所謂不死身じゃ勝てるはずがない。何か方法は・・・あ、あった!
「おい、中濱!塩持ってるか?」
「何でこんな大事な時にそんなこと聞いてんだよ!持ってるわけねえだろ?」
「そうだよな・・・。」
それは当然である。塩を持ち歩いてる奴など普通はいない。待てよ。もしかして・・・。
「中濱!10秒だけ俺に時間をくれ!」
「分かった!こいつらを食い止めておくから、さっさとしろよ!」
中濱が二匹、いや、二体のゾンビの間に割って入り、同時に正拳突きを喰らわせた!
ガスッ!
しかし二体はしっかりと堪えている。
「おい、早くしろ!」
「わ、分かった!」
俺は白いカプセルを飲んだ後に、水色のカプセルを放り込んだ!勿論完全漂依のために集中した。
カッ!
出てきたのはリヴァイアサンだった。こいつは海の魔物だから、海水くらい吐けると信じていた。海水には塩分がある。ゾンビは塩に弱いと聞いたことがあったから、これで仕留められると踏んだ、最後の賭けだった。
「いっけええぇぇ!」
ブバアアアァッ!
二匹目掛けて海水鉄砲が飛んでいった。
ズドオン!
よし、当たった!これで効いてるは・・・
しかしながら、奴らはぴんぴんしているではないか!
VERY効いてナーイ。何故効かないんだよ。蘊蓄かよ。どうしようもないだろ。この状況下では勘弁だろ。
「ヨホホホ!そんな低俗な作戦は通用しないけど?」
ガドリニウムの声だ。どこからだ?しかしそんなことを考えて一瞬防御が遅れたところに、
ズドッ!
ズバアッ!
「・・・!?」
も、もうダメだ。何も打つ手はないし、意識が・・・。
というなり、俺達は倒れてしまった。
はてさて、二人の運命は!?
To be continued...




